柳楽優弥、20年前から磨き上げてきた“勘の鋭さ”で信頼の俳優に狂気をはらんだ怪演「ガンニバル」続編もスタンバイ

柳楽優弥/※ザテレビジョン撮影

柳楽優弥、20年前から磨き上げてきた“勘の鋭さ”で信頼の俳優に狂気をはらんだ怪演「ガンニバル」続編もスタンバイ

11月22日(金) 8:10

柳楽優弥
【写真】狂気をはらんだ目つき…「ガンニバル」シーズン2のキービジュアル

第一線で輝く芸能人にとって、普通の人には無い魅力があることは必要不可欠である。人の目を引き憧れの的となったり、誰かの“推し”となり尊敬や慕われ続ける芸能人には、必ず理由があるもの。主演ドラマ「ライオンの隠れ家」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が放送中の俳優・柳楽優弥に、再び注目が集まっている。また、こちらも主演を務めるドラマ「ガンニバル」シーズン2が2025年3月19日(水)よりスタートすることも発表された。爽やかなサラリーマン役からサイコパスで暴力的、狂気、不気味な役まで、どんな役でもこなす柳楽からは、俳優としての“勘の鋭さ”を感じる。その魅力を詳しく紹介していこう。(以下、「ライオンの隠れ家」の一部ネタバレを含みます)

■「誰も知らない」から20年…

1990年3月26日生まれの柳楽優弥は、役によっては若くも見え、年齢不詳の印象もあるが現在34歳。女優でモデルの妻・豊田エリーとの子どもがいるパパでもあり、つい最近も「こんなかっこいい中学生パパおらん。。」という内容のあるXの投稿に9.6万超のいいね!が集まる大反響となっている。

いつのまにか34歳になっているという気持ちをこちらに抱かせるのは、やはり映画「誰も知らない」(2004年)で鮮烈なデビューを飾ったからか。2004年の第57回カンヌ国際映画祭では、当時14歳で史上最年少かつ日本人で初めて最優秀主演男優賞に輝き、審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督も柳楽の目ヂカラとその自然体な演技に驚いた。柳楽は親に育児放棄され、子どもだけで暮らすことになってしまった4人きょうだいの長男を演じた。あれは見た後の数日、人によっては数カ月にわたり、心にズシンと残るタイプの作品である。

■俳優としての“勘の良さ”

初めてのオーディションだったにもかかわらず自然体に映ったのは、メガホンをとった是枝裕和監督が子どもたちに台本を渡さずに撮影したという手法のおかげというのはもちろんのこと、依然として活躍中の柳楽の演技を思うと、俳優としての“勘の鋭さ”が元々備わっている人なのだろう。

ここでいう“勘の鋭さ”というのは、監督や視聴者が求める姿や作品の世界観に合った演技を限りなくイメージに近い形で表現することができる人のことを述べている。それには客観的に物事を捉える力があり、俳優自身の個性を強く出したり、時として抑えたりする調整力もあるということ。年齢と経験を重ねた柳楽は、さらにその“勘”を研ぎ澄ましているようだ。
柳楽優弥

■好青年から狂人、芸人まで完璧になりきる

ファンからは、柳楽の笑った顔が「ポケットモンスターの『エネコ』に似ててかわいい」という声も。確かに、大きな瞳が一本線のようになりキュッと吊り上がって愛らしい。柳楽の顔というのは、作品によってまるで異なる印象を残す。

放送中の「ライオンの隠れ家」では、市役所勤務の平凡で真面目な優しい青年・小森洸人を演じている。洸人が自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)と暮らし、突然現れた「ライオン」と名乗る謎の男の子(佐藤大空)との出会いをきっかけに“ある事件”に巻き込まれていくヒューマンサスペンス。柳楽、坂東、佐藤の3人の繊細で温かい演技の高評価に加え、回を追うごとに明らかになる謎が多くストーリーも人気の作品である。11月15日放送の第6話までに、ライオンは洸人の異母姉・愛生(尾野真千子)の息子で、愛生の夫・祥吾(向井理)からの日常的な暴力から逃れて新しい人生をやり直すため逃げてきたと判明した。洸人が「ライオンのために何ができるか」と、真剣に悩みながら守っていく姿が胸を打つ。

この洸人役や、連続テレビ小説「まれ」(2015年、NHK総合ほか)の池畑大輔役、高橋一生と共演する「リクルートエージェント」のCMで見せるサラリーマン役もそうだが、誠実で温かい普通の青年役で魅了する柳楽。一方で、「ゆとりですがなにか」(2016年、日本テレビ系)で“おっぱい”を連呼する風俗店の呼び込み・道上まりぶ役や、映画「ディストラクション・ベイビーズ」(2016年)で誰彼構わず人を殴りまくる泰良役など、狂気的で他人を寄せ付けないオーラをまとうイカれた人間も完璧に演じ上げる。

■「浅草キッド」での“ビートたけし役”も話題に

ビートたけしと芸人の師匠・深見千三郎との関係を描いたNetflix映画「浅草キッド」(2021年)では、柳楽がタケシを、大泉洋が深見を演じた。モノマネではないながらも、タップダンスをひたすら練習し、最先端の漫才を繰り出す柳楽の佇まいはスター前夜のビートたけしそのもの。浅草の町から生まれた芸人・タケシが見たその昭和の時代が在り在りと描かれて見事であり、ここでも演じる“勘の鋭さ”が感じられた。
柳楽優弥

■「ボケカスが!」ボッコボコに殴る姿「ハマり役」の声

何を求められているのかを感じ取って表現することができるというのは、監督や同業者からの信頼を集めるのだろう。演技で見せる顔と、普段の様子のギャップも魅力のようだ。たまに出演するバラエティー番組や作品のメイキング動画には「こんなに優しい人だとは知らなかった!」(伊藤沙莉)、「怖いイメージがあったけど、すごい柔らかい方」(吉沢亮)、「こんな人いるんだっていうぐらい素晴らしい俳優。ただ普段はバカなんですよ(笑)」(堤真一)などといった、好印象トークがずらりと寄せられている。

そんな柳楽の好青年ぶりと狂気さが合わさったハイブリッドな役ともいえる「ガンニバル」シーズン2が2025年3月19日(水)より、シーズン1と同様ディズニープラスのスターで独占配信されることが発表された。累計発行部数350万部を超える二宮正明のサスペンスコミック「ガンニバル」を実写化した同作は、監督・片山慎三、脚本・大江崇允のヴィレッジ・サイコスリラー。主人公の警察官・阿川大悟を演じる柳楽は、前作で、都会から遠く離れた山間にある供花村(くげむら)の「……この村では、人が喰われているらしい」という信じがたいうわさの真相に迫った。「ボケカスが!」「やるならこいよ、相手になんぞ」と絶叫しながら血を流す大悟の姿は迫力満点だ。

前作は大悟が村に隠されたある真実にたどり着く寸前のところで幕を閉じ、「駐在さんが一番コワい」「メンタル、フィジカル共に最強」「柳楽くんのハマり役」などの反響が寄せられた。またあのゾクゾクするようなエネルギッシュな顔が見られるとあって、続編を待ちわびるファンも多い。

作品に合った雰囲気と役を持ち前の勘で自在に操る俳優、柳楽優弥の新たな顔はこれからもずっと更新されていく。

◆文=ザテレビジョンドラマ部



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