河村勇輝がGリーグで勝利に貢献ハッスルヘッドコーチが明かすオフコートでの河村の素顔

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河村勇輝がGリーグで勝利に貢献ハッスルヘッドコーチが明かすオフコートでの河村の素顔

11月22日(金) 7:05

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Gリーグではより持ち味を発揮している河村photo by Getty Images

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河村勇輝がプレーするハッスルHCインタビュー後編

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メンフィス・グリズリーズの河村勇輝にとって、Gリーグチームの指揮を執るTC・スワースキーヘッドコーチ(HC=監督)は重要な存在となっていくのかもしれない。

河村がメンフィス・グリズリーズと結んだ2Way(ツーウェイ)契約とはGリーグの所属選手ながら、一定期間NBAにも出場できるもの。今後はGリーグのメンフィス・ハッスルで過ごす時間が増えることが予想され、スワースキーHCの下でどれだけ向上できるかが見どころになる。

スワースキーHC は、10年前の2014-15シーズン、ポートランド・トレイルブレイザーズのインターンとしてこの世界に。ポートランドで5年間を過ごすと、その後はグリズリーズのヘッド・ビデオコーディネーター、ハッスルのアシスタントコーチとして経験を積んできた。もともと父親がシカゴ・ブルズのラジオ実況アナウンサーだったという背景もあり、この業界を熟知していることも心強い。

「幼少期からNBA選手たちと馴染みだったのは幸運なことで、今の私のキャリアを助けていると思う。何事も当たり前のことだとは考えない。無料でもやりたいと感じるほど、この仕事を気に入っている。多くの人々の支えに恵まれてきたのは幸運だったし、今後、私も同じようにNBAを目指す選手たちを助けていきたい」

そう意気込みを語るスワースキーHCに、インタビュー後半では主に河村のオフコートでの姿を中心に語ってもらった。コミュニケーション能力に秀でた河村は、出会ったばかりの指揮官にもすでに強烈な印象を残しているようである。

*以下、スワースキーHCの一人語り

【ユウキのエナジーは伝染性】ハッスルのHCとして1年目の今シーズン、私は選手育成に力を入れていきたい。一人ひとりを向上させたいし、同時にメンバーの間にケミストリーを生み出し、チーム力をアップさせたい。チーム練習、個人練習、ゲームのすべてが育成のための場になる。もちろん多くのゲームに勝てればそれに越したことはないが、とにかく選手たちが上達するのが最も大事なことだ。そして、実力とキャラクター(気質)を備えたユウキは、そんなチーム内でも重要な選手であり続けるのだろう。

ユウキに関して真っ先に思うのは、彼のエナジーは伝染性だということだ。ユウキがドアを開けて部屋に入ってくると、みんなが彼の方に目をやり、近くに来て、接しようとする。ユウキの周囲のみんなが、笑顔を浮かべる。彼には人間的な魅力があり、誰もがそれに引き寄せられるように感じるくらいだ。

アメリカで暮らすのはこれが初めてなのにもかかわらず、英会話は急速に向上している。言葉を勉強し、チームメイトに馴染み、異国のさまざまな料理も試そうとしている。ホテルにこもり、日本の友人たちとばかり接していたければ、それは簡単なことなのだろう。しかし彼はそうはせず、チームメイト、アメリカの新しいカルチャーを学ぶことに尽力し、メンフィスのすべてを知ろうと試みている。本当に賢明だと感心させられるよ。

【河村の真剣度を示す英語にまつわるエピソード】英語の勉強に関しては、こんなエピソードがある。初めてメンフィスに来たとき、ユウキはビザの手続きのために、まずはカナダのトロントを経由し、その後にオタワに移動して数日を過ごすことになった。飛行機がオタワに着陸すると同時に、ユウキは一緒にいた人たちに「これからはもう日本語は話したくない。僕にはずっと英語を話してほしい」と告げたのだという。そんな話を聞けば、彼がどれだけ英語を真剣に学びたがっていたかが伝わってくると思う。

日本語を話さないだけでなく、「もう日本食を食べるつもりはないから」と言ったんだそうだ。日本食に関しては、私は彼に「食べてかまわないよ」と伝えたのだが(笑)。

メンフィスに到着した頃には、まだ英語を学んでいる途中だったけれど、勉強熱心な本人の姿勢のおかげもあって、今ではもうチームメイト、コーチたちと気楽に話している。もちろんまだ向上の余地はあるけれど、その飲み込みの速さには驚嘆させられている。今後はそれをコート上でも生かしていけるだろう。ディフェンスのコミュニケーション時なども、特に考えることなく言葉が出てくるようになるはずだ。

日本食を食べないとして、ユウキは毎日何を食べているのか?それは私にもわからない(笑)。自身でそれほど料理はしているわけではないと思う。メンフィスではバーベキューが最も有名な料理で、ファストフードの店もたくさんある。ただ、ユウキの身体は引き締まっているから、バーベキューやファストフードばかり食べているわけではないと思う(笑)。食事の点でもしっかりと規律正しくできているのだろう。

ユウキの今季の目標は、毎日、1%でも向上しようと努めていくことだ。彼の練習態度は本当に素晴らしく、頻繁に練習場に来て、コーチの話にもしっかりと耳を傾けている。Gリーグでの初戦の彼はフィールドゴールの精度がもうひとつだったが、その後、すぐに私に「もっといいシュートが打てるようになりたい。向上したい」とテキストメッセージを送ってきた。その気持ちを保ち、試合でも、練習でも、これからも多くのことを学んでいければいい。シュートは絶対に上手になる。

カギになる課題を挙げるとすれば、やはりディフェンスの上達だろう。マッチアップした選手をしっかりとガードできるようになれば、彼はNBAでも長く充実したキャリアを築いていける。ユウキがアメリカでもよりいい選手になっていけるように、私もコーチとしてできることは何でもするつもりだ。

*Gリーグ2試合目となった現地20日のオシオラ・マジック戦では15得点・16アシストのダブダブルで勝利に貢献

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