11月22日(金) 4:00
エアコンの電気代は「消費電力(キロワット)×使用時間(時間)×電気料金単価(円/キロワットアワー)」で算出できます。
消費電力はエアコンによって異なるため、商品カタログなどで調べておきましょう。電気料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めている31円/キロワットアワーを使用して計算します。
例えば、暖房時の消費電力が810ワット(0.81キロワット)のエアコン(12畳程度)だと1時間使用した場合の電気代は「0.81キロワット×1時間×31円/キロワットアワー=25.11円」です。
1時間あたりの電気代が約25円なので、1日8時間エアコンを使用した場合は約200円、1日12時間だと約300円の電気代がかかります。1ヶ月(30日)に換算すると、1日8時間使用した場合の電気代は約6000円、12時間の場合は約9000円です。
リビングだけでなく、寝室や子ども部屋などでもエアコンを使用した場合はさらに電気代が高くなるでしょう。
石油ストーブの場合は、灯油代と電気代の両方を計算する必要があります。
まず、灯油代は「燃料消費量(リットル/アワー)×使用時間(時間)×1リットルあたりの灯油代(円/リットル)」で算出することが可能です。1リットルあたりの灯油代は経済産業省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」(2024年11月5日時点の店頭価格)より117.2円/リットルで計算します。
例えば、燃料消費量0.064~0.243リットル/アワーの石油ストーブの1時間あたりの灯油代は「0.064~0.243リットル/アワー×1時間×117.2円/リットル=約8~28円」です。
一方、電気代はエアコンと同様の計算方法になります。消費電力が8.5~14ワットの石油ストーブを「強」で使用した場合、1時間の電気代は「0.014キロワット×1時間×31円=約0.4円」となります。灯油代と電気代を合計すると、1時間あたり約8.4~28.4円かかる計算です。1日8時間使用した場合は約67~227円、12時間使用した場合は約101~341円かかります。
1ヶ月に換算すると、1日8時間使用した場合の灯油代とガス代は約2010~6810円、12時間使用した場合は約3030~1万230円となり、最小だとエアコンを使用した場合の電気代より大幅に節約できますが、最大だとエアコンを少し上回る可能性があります。ただし、電気料金単価と灯油代は変動することもあるため、注意が必要です。
石油ストーブは製品や使い方によってはエアコンより節約できますが、灯油を買いに行ったり換気の手間がかかったりなどのデメリットもあります。その点も踏まえたうえで、どちらを主に使用すべきか考えてみるとよいでしょう。エアコンと石油ストーブを併用する方法もあるので、上手に活用することをおすすめします。
また、暖房器具にはエアコンや石油ストーブ以外にも、電気ストーブやパネルヒーター・オイルヒーターなどさまざまなものがあります。それぞれの電気代を計算して比較するとともに、種類ごとの特徴も確認しておきましょう。
例えば、オイルヒーターは温風が出ないので部屋の空気が乾燥しにくいことや、事故が発生するリスクが低いことなどのメリットがありますが、長時間使用すると電気代が高くなる可能性があります。
このような特徴も確認したうえで、自分たちにはどのような暖房器具が合っているのか検討してみましょう。
エアコンは電気代が高いイメージがあり、暖房器具として石油ストーブを使用することを検討している方もいるでしょう。しかし、石油ストーブは灯油代と電気代がかかるため、必ずしもエアコンの電気代より安く済むわけではないようです。
製品や使い方によってはエアコンよりもコストが高くなってしまう可能性もあるので、事前によく確認しておきましょう。状況によってはエアコンと石油ストーブを併用したり、ほかの暖房器具を利用したりする方法もあるため、選択の幅を広げて検討してみることをおすすめします。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Qカタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油) 11月20日(水)結果詳細版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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