11月22日(金) 4:40
児童手当はこれまで中学生以下が支給対象でしたが、高校生年代まで支給対象が拡大されました。この「高校生年代まで」というのは高校卒業時点のこと。実際には中学校を卒業後に働いている18歳でも、父母らに監護され生計が同一であれば児童手当の対象に含まれるため、このような表現がなされています。
正式には、支給終了月は「18歳に達する日以後の最初の3月31日まで」という文言で言い表されます。
図表1
筆者作成
児童手当の総額は、図表1のとおりです。0~2歳の期間は、厳密にいえば、0歳1ヶ月~満3歳になるまでの35ヶ月間です。つまり、満3歳になる誕生月は「3歳未満」として扱われ、3歳になった翌月から支給額が変わります。
図表2
筆者作成
標準的に支給額の合計は第1子・2子が233万5000円、第3子以降は648万円です。ここから生まれ月により追加が生じる部分を、図表1では「+α(プラスアルファ)」「+β(プラスベータ)」としました。何ヶ月分が追加になるかは、図表2に表しています。
3月31日の月齢を見ると、当然ながら生まれ月によって18歳11ヶ月~18歳0ヶ月まであります。つまり、18歳を超えて11ヶ月分支給される児童もいれば、満18歳の時点で支給が終了になる児童もいるということです。言わずもがな、支給月数が一番多いのが4月生まれの子どもで、最大11ヶ月分も差がついてしまうのです。
相談者の子どもは11月生まれなので、支給終了月は満18歳4ヶ月です。つまり、18年と4ヶ月分の児童手当が支給されます。
第1子233万5000円+1万円×4ヶ月=237万5000円
第2子233万5000円+1万円×4ヶ月=237万5000円
第3子648万円+3万円×4ヶ月=660万円
3子合計1135万円
例えば3人きょうだいの場合、第1子と第3子の年の差によっても支給額は変わります。末っ子が第3子として認められるのは第1子が大学生年代である場合で、正確には「22歳に達する日以降の3月31日まで」です。
つまり、第1子である兄や姉が23歳になってしまうと、第3子は第2子という扱いになってしまいます。きょうだいの年の差が5歳ある場合は要注意です。この場合、兄姉が23歳になった後の第3子は支給額が1万円に下がります。
子どもが働いていても児童手当が支給されると前述しましたが、それはあくまで親と生計が同一の場合です。すでに一人暮らしをしていて、生活費を子どもが負担している場合は対象となりません。児童手当とはあくまで、親が養育している場合にのみ支給されるのです。
一方で、生計が同一でさえあれば、別の世帯で暮らしていても児童手当の支給対象です。父母が単身赴任をしていても、子どもが寮暮らしでも、親が子どもを養育していれば児童手当は受給できます。なお夫婦別居の場合、受給者は夫婦のうち所得の高いほうとなります。
●児童手当の総額は生まれ月によって異なる
●3人きょうだいの場合、第1子との年齢差が5歳以上だと第3子の支給額が減る
この2つは見落としがちな児童手当の「例外」です。支給の開始・終了が年度で切り替わるため、仕方なく発生してしまう不平等といえます。また喜ばしいはずの「子どもの独立」は、今回ばかりは運悪く受給額が減る要素となってしまいます。
なぜこのように差が出るのかというと、政府が支給時期を年齢で区切らず「高校生年代まで」とし、児童としてカウントする人数を「大学生年代になるまで」としたためです。
政府のねらいは「家庭における生活の安定」と「児童の健やかな成長」ですから、公平性に欠けるという気持ちはいったん置いておいて、ありがたく養育費として使わせてもらいましょう。
こども家庭庁 もっと子育て応援!児童手当
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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