11月22日(金) 8:30
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇21日◇宮崎カントリークラブ◇6497ヤード・パー72>
シーズン最終戦となる国内メジャー。多くの選手が宮崎で1年を締めくくることを年間目標の一つにしているが、今年は8人が出場40人のエリート大会に初出場を果たした。
コースから自宅まで車で5分の宮崎出身・脇元華は、近くて遠かった場所にプロ7年目でようやくたどり着いた。メルセデス・ランキング(以下MR)30位で4季ぶりにシード復活を果たした27歳は、「プロになるまではよく見に来ていた思い入れのある大会、そこに自分が出られてうれしい」と感激。地元ファンの熱い声援も「すごく力になる」といつも以上に気合も入った。
ショットの状態は万全ではなかったというが、15番でグリーン左前のバンカーから“OK”に寄せるなど「小技がよかった」。粘り強くパーを重ね、1バーディ・1ボギーのイーブンパーで迎えた17番で、2打目をピンそば1メートルにつけてアンダーに潜った。1アンダーで12位タイとまずまずの滑り出しだ。「アンダーパーで終われたのはすごく大きい。ショットを調整して、少しずつ順位を上げていきたい」と意気込む。
脇元と同じ組で回った鶴岡果恋は出入りの激しいゴルフながら、4バーディ・4ボギーの「72」と踏ん張った。「練習ラウンドではすごく難しく感じたけど、すごく好きなコースになりました」。MR31位になり、プロ7年目で初シードも手にした収穫大のシーズン。「すごく緊張した」という1番で2メートルを沈めるバーディ発進に心も軽くなった。
一方、ツアー本格参戦1年目の小林夢果は「77」と苦しんだ。「先週からスイングがおかしくなって…」と5ボギーでバーディはなし。MR34位で初シードを獲得した21歳は、「芝目が強く、傾斜もあってすごくキレる」と不慣れなコーライグリーンにも手こずった。「明日からはラインを消して、しっかり打ちたい」と雪辱を誓う。同じコーライグリーンの川奈で行われた4月の「フジサンケイレディスクラシック」で2位になったMR35位の小林光希も「74」の33位と苦戦した。今週はキャディに2022、23年に山下美夢有の大会連覇をサポートした松村卓氏を起用しているが、「パットがヘタすぎ。申し訳ないです」とガックリ。また4月の「パナソニックオープン」でツアー初優勝した天本ハルカも「74」だった。
初出場組で初日最もスコアが良かったのは脇元とウー・チャイェン(台湾)の「71」で、5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」で史上8人目のアマチュア優勝を史上最年少の15歳176日で達成したイ・ヒョソン(韓国)は11オーバーの最下位。同じ宮崎で開かれた3月の「アクサレディス」でツアー初優勝した臼井麗香も6オーバーの39位と大きく出遅れた。
大会初出場Vはこれまで6人で、2003年に会場が宮崎CCに移って以降は3人いるが、19年のペ・ソンウらすべて韓国勢。週末は風速も強まる予報で、難易度アップが必至のコースに初出場組がどう挑んでいくかにも注目したい。(文・臼杵孝志)