第1子を妊娠していたころの話です。臨月を迎え、健診へ向かう電車に乗り込むと、あいにくの満席。私は立っていようと扉の近くにいると、近くに座っていた鼻ピアスにバッチリメイクの怖そうな女性と目が合ってしまいました。しかも、その女性の隣には同じく鼻ピアスにサングラス、金髪の怖そうな男性も座っていて……。
ヤバい!絡まれる!腕を掴まれ絶望…
慌てて目を逸らした瞬間、その男性の「おいっ!」という声が聞こえ、私は怖くなりその場を離れようとしました。すると、目があった怖い女性が私の腕をつかんできました。
どうしよう……。と顔を上げられずにいると、その女性が私の顔を覗き込んで「座って!」と言って、自分が座っていた席に手を引いてくれたのです。男性が「おいっ!」と言ったのは、私にではなくその女性に対してで、私を座らせてあげなという意味だったようです。
目が合った瞬間は、よく見ていなくて気が付かなかったのですが、男性は赤ちゃんを抱っこしていました。私が席に座らせてもらうと、妊娠中のことや出産、子育てのことをご夫婦で気さくに話してくれたのです。去り際には「体を大事にね、出産頑張って!」とエールまでもらいました。
私は見た目だけで判断してしまったことをとても反省しました。人は見かけによらないとよく言いますが、本当にその通りだなと、やさしいご夫婦の気遣いに感動した出来事でした。妊娠してから席を譲っていただく機会が増え、とてもありがたかったです。ささいなことかもしれませんが、その「ささいなこと」に救われる人は多いと思うので、私もあのときのご夫婦のように周りを気遣える人でありたいなと思っています。
著者:夏川 巴/30代・女性・専業主婦。女の子1人、男の子2人の母。
イラスト:マキノ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
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