11月22日(金) 6:00
現金で仕分けて支出を管理する方法は、昔ながらの家計管理の手法です。しかし、これが今でも注目される理由には「心理的な効果」があります。
クレジットカードやキャッシュレス決済では、支払いの瞬間に実際のお金が動かないため、使いすぎてしまうリスクがあると考える人もいるでしょう。ただし、キャッシュレス決済でも利用履歴がデータとして残るため、お金の管理がしやすいという利点もあります。
一方で、現金の場合は、財布や仕分けた袋の中などから目に見える形でお金が減るため支出の実感が強くなるうえに、自然と「これは必要な支出か?」と考える癖がつくようになります。また、袋で仕分ける場合は、「予算を守る」という意識が強まるでしょう。
例えば、「食費用の袋が空になったら、その月は外食を控える」という具合に、支出の上限を明確に設定できるのもポイントです。
現金とカード払いでは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。以下のポイントで、比較してみましょう。
■現金払いのメリット
・支出の実感が強まり、無駄遣いを防ぎやすい
・予算が明確になるため、使いすぎを防止できる
・借金(リボ払いや分割払い)の心配がない
■現金払いのデメリット
・ポイント還元がない
・現金を持ち歩く不便さやリスクがある
・緊急時の支払いに対応しにくい
▼カード払いのメリット
・ポイント還元や割引特典が受けられる
・支払いがスムーズで、時間を節約できる
・家計簿アプリと連動しやすい
▼カード払いのデメリット
・支出が見えにくく、無意識に使いすぎる可能性がある
・支払額が後から確定するため、予算を超えやすい
・リボ払いや分割払いを利用すると利息が発生する
現金払いは「使いすぎを防ぎたい人」に向いており、カード払いは「ポイントを活用したい人」に適しています。
現金仕分け管理を取り入れるには、計画的かつ持続的に行うことが大切です。まず、給料日を迎えたら口座から現金を引き出しますが、その後の主な3つの管理方法について以下で紹介します。
月ごとに予算を決め、それを食費、交際費、娯楽費などのカテゴリに分けて袋に入れます。袋が空になったら追加せず、次の月まで待つルールを作るのがポイントです。
光熱費の支払いは、口座引き落としに設定している人が多いでしょう。しかし、家賃や光熱費、通信費などの固定費の分は口座に残しておきます。残った金額は翌月に持ち越してもよいですし、引き出して現金で管理してもよいでしょう。
袋分けしたうち、お金が余ったときは貯金に回すことができます。しかし、予算が足りなかった項目については見直しをする必要があります。
無駄遣いがなかったか、節約できなかったかなどを振り返り、それでも足りない場合は余っている項目から予算を回しましょう。数ヶ月たてば、きちんとした予算が組めるようになります。
現金払いが向いているのは「支出を可視化したい」「お金の流れを把握したい」と考えている人です。一方で、普段からキャッシュレス決済を利用している人には、カード払いに適した家計簿アプリの活用をおすすめします。
最も重要なのは、自分の性格やライフスタイルに合った方法を選ぶことです。計画的に支出をコントロールしたいなら現金払いにするとよいでしょう。
一方で、カード払いを利用しながらも無駄遣いを減らしたい場合は、支出を定期的に見直す習慣を取り入れるのが効果的です。家計簿アプリを活用して支出を管理し、定期的に見直すことで、キャッシュレス決済でも効果的な家計管理が可能です。
現金で仕分ける節約術は支出を明確に管理し、無駄遣いを防ぐ効果があります。一方で、カード払いにはポイント還元というメリットがあります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を取り入れることで、家計管理をより効率的に行うことができます。どちらの方法も、使いすぎを防ぎ、計画的な支出を目指すことが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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