11月22日(金) 9:00
今季未勝利ながら、メルセデスランキング20位にランクインする青木瀬令奈。彼女のセッティングを撮影すると、面白いスペックを発見。その詳細をレポートしたい。
青木瀬令奈の14本全部見せます!FWとUTの打痕がスゴ過ぎた【写真】
ドライバーは『ゼクシオ エックス』ヘッドに『スピーダーNXバイオレット 40 SR』シャフトを使用。彼女がドライバーでこだわっているのが、クラブ長さだという。
「『スピーダーNXバイオレット 40 SR』はヘッドが戻ってきて、ちょうどいいタイミングでしなり戻るモデルです。打ちやすいと思います。ただ、ノーマルだとヘッドの動きを感じるので、チップカット(先端を短くする)を行ってテストを重ねました。以前使用したのが50Sの『VENTUS RED』だったのですが、『スピーダーNXバイオレット』では50SRを試したうえで、チップカットをしました。ただ、50g台だと重く感じたんです。なので、40g台を試したら、40Sだと動きが足りなくてタイミングを取れなかったんです。次に40SRで12ミリカットをやってハマりましたね。10本くらい試しました(笑)」
これだけシャフトの長さにこだわる女子プロも珍しいだろう。自分で感じて自分で調整できるのが彼女のスゴイところ。青木は3Wの『スピーダーNX バイオレット 50SR』シャフトでもクラブ長さにこだわったようだ。
「元々先が動くシャフトを使っていましたが、もう少ししっかりしてもいいのかなと思って、『スピーダーNX バイオレット 50SR』を使いました。その上でこだわったのが、チップカットの長さ。動きすぎて右から右に動くミスが嫌で、短くしたら上手く拾ってくれますね。12ミリカットを試していたんですが、タイミングが合わなくて、9ミリカットを試したらハマりました」
1Wと3Wは比較的重心深度が浅く、強い球を飛ばせるヘッドを使用。5W・7W・9Wではやさしく球がつかまって上がる深重心設計の『ゼクシオ10 2017』ヘッドを採用する点も、青木らしいチョイスだ。
「5W・7W・9Wは6年ぐらい同じモノを使っています。やさしく打てる安心感とヘッドが小さいのが好きなので。最近のクラブはどんどんヘッドが大きくなっているので、なかなか変えられない部分もあります。スピン量や自分の打点に応じたギア効果の度合いとか、長い間使っているので分かっているんです。ショートウッドは、私の生命線なので、ヘッドが割れるまで使うたいなと思っています」
また、UTは5・6Uでロフト25・28度の『スリクソン Z H65 2016』を使用しているが、その下にまた同じ6Uの『スリクソン ZX』を採用しているのが、不思議なところだ。
「もともと『スリクソン ZX』が出たときに6Uを試していて、FPが多いのか(刃が前に出ている)上に飛んじゃうので5ヤードぐらい飛ばなくて……。6Uの代わりに入れるには飛ばないかなと。逆にロフトを寝かせて(7番アイアン代わりの)7Uにできないかなと思ったんです。高さとスピン量が申し分ないから、ロフトを寝かしてみて、ロフト30度にしたらちょうど7番アイアンと同じぐらいの距離になりました。7番と比べるとスピン量が800回転ぐらい増えていた。キャリーが一緒でスピンが入るんだったら、7Uの方がいい。じゃあ7Uにしちゃおうと2年ぐらい前から使っています」
これだけ自分の強みと弱みを理解して、ギアをこだわって選ぶ女子プロも少ない。この感性の鋭さと強いこだわりこそが、非力な彼女が通算5勝を挙げられる秘密なのだろう。
【青木瀬令奈のクラブセッティング】
1W:ゼクシオ エックス(9.5度/スピーダーNXバイオレット 40 SR)
3W:スリクソン ZXi(15度/スピーダーNXバイオレット 50 SR)
5・7・9W:ゼクシオ10 2017(18・20・23度/アッタス COOL 6R)
5・6U:スリクソン Z H65 2016(25・28度/アッタス MB HB 65R)
6U:スリクソン ZX(30度)
8I:スリクソン ZXi5(N.S.PRO 750GHラップテック S)
9I・PW スリクソン ZXi7(N.S.PRO 750GHラップテック S)
50・58度:グラインドスタジオ プロト(N.S.PRO 850GH R)
PT:オデッセイ Ai-ONE ジェイルバードミニ CS
BALL:スリクソン Z-STAR ◆
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