11月22日(金) 12:00
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『長江哀歌(エレジー)』などで知られるジャ・ジャンクー監督の最新作が、『新世紀ロマンティクス』の邦題で2025年5月9日(金) より全国順次公開されることが決定した。
21世紀に入り、100年に1度と言われる変貌を遂げた中国。舞台は2001年、炭鉱産業が廃れ失職した者で溢れていた山西省・大同(ダートン)。2006年、三峡ダム建設により水没が運命づけられた長江・奉節(フォンジエ)。そして2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海(チューハイ)とすっかり様変わりして都会となった大同。本作では、劇的な変化を遂げる街の景色の中、ひとりの女・チャオがたどる人生の変遷が描かれる。
チャオは大同を出て戻らぬ恋人ビンを探して奉節を訪ね、ビンは仕事を求めて奉節から珠海を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同へ。恋人たちの関係と比例するように、街は変化していく。
主人公チャオを演じるのはジャ・ジャンクー監督の妻でもあるチャオ・タオ。本作で長編ドラマは8作目のタッグとなる。ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズ、吉田喜重と岡田茉莉子、イングマール・ベルイマンとリブ・ウルマン、ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンのように、妻である女優を主演に映画を撮り続けるジャ・ジャンクー。その期待に応えるかのようなチャオ・タオの熱演が光る。
「過去の作品のすべては『新世紀ロマンティクス』のために、素材を集めていたのではないか、そう思わせるほど、ジャ・ジャンクーの斬新な試みは成功している」とVariety誌が評するように、本作では過去作『青の稲妻』『長江哀歌』『帰れない二人』などの本編映像と共に未使用映像やドキュメンタリー映像も駆使して中国激動の22年間を描く。実際の24歳・29歳・45歳のチャオ・タオの姿とともに、その時々の人々の顔と、急激に変化していく街の景色が実際に変化していく、ドキュメンタリーとフィクションが融合した作品となっている。
併せて、それぞれ時代の違う場面写真も公開。大同でバスの中で視線をはずしているチャオとビン、奉節でビンを探して雨宿りをしているチャオ、大同に戻りスーパーマーケットで接客をするロボットとやり取りするチャオの姿が収められている。
<作品情報>
『新世紀ロマンティクス』
2025年5月9日(金) 全国順次公開
(C)2024 X stream Pictures All rights reserved