2000年のドラマ初出演から、25年目のキャリアを誇る
志田未来さん(31歳)
。
連続ドラマ初主演を飾った2006年の『14才の母』(日本テレビ系)にはじまり、数々の作品で主演を務めてきた志田さんにとって、テレ東系初主演となるドラマ『下山メシ』がスタートした。「飯」ものに定評のあるテレ東が、「山」と「飯」を掛け合わせた、新たな“シチュエーショングルメドラマ”だ。
ドラマの撮影エピソードにはじまり、31歳にしてすでにキャリア十分の志田さんが大切にしていることを聞いた。またInstagramの投稿もたびたび話題になる志田さんに、「人目を気にせずどこにでも出かけていくのは昔からなのか」、質問してみた。
登山しておいしいご飯を食べたら、撮影が終わっている感じ
――テレ東らしさを感じる作品での初主演ですね。
志田未来(以下、志田):
そうですね。テレ東さんの食のドラマって、すごく魅力的で憧れがありました。今回食をテーマにした作品で、しかも山で食べるのではなくて、登山したあとに食べるという今までになかった視点での新しいドラマだなと思いました。
ただ、ドラマを撮影している感覚があまりなくて。“スタッフさんたちとみんなで登山して、おいしいご飯を食べて、気づいたら撮影が終わっている”といった日々を過ごしています。
――本作で取り上げているのは低山登山で日帰りでも挑戦できる山ですが、とはいえ10月は2日登って1日食べてという撮影の日々を実際に続けていたとか。筋肉痛になったのでは?
志田:
大丈夫です。自分でも体力が大丈夫かなと思ったんですけど、緑が本当に気持ちよくて、すごく楽しい雰囲気で撮影しています。それにスタッフさんはたくさんの機材を持って登っているので、自然と「頑張ろう!」という気持ちになります。
撮影中はカメラよりも食事に夢中
――食事シーンの撮影はいかがでしたか?
志田:
食べるシーンの日は、1日かけてするのですが、朝はコーヒーしか口に入れないようにしています。大体14時過ぎに一口目を食べられるのですが、お腹が空いているので、一口目が本当においしくて。
実際に調理している音や香りも食欲を刺激するので、お店に座っている時の顔はもはやお芝居じゃないと思います(笑)。
――とはいえ、お芝居でもあるわけですし、難しい面もありそうですが。
志田:
最初は恥ずかしかったです。カメラの前で食べているところをずっと撮っていただくって、なかなかない経験ですし。でも今はカメラより食事に夢中です(笑)。
モノローグ(心の声)は決まっていますが、「それに合わせて表情づくりをしなくても大丈夫です」と監督がおっしゃってくださったので、感じたままに表情に出して食べています。
監督がどうだったかを聞いてくださるので、感想を伝えると、モノローグに追加されていることもあります。なんだかドキュメンタリーに近い感じです。
主人公との共通点は「人見知り」と好きな事への「猪突猛進」
――主人公の「いただきみねこ」は、人見知りで対人コミュニケーションが苦手な一方、一人でいる時や妄想の中では饒舌になりがちなイラストレーターです。ご自身との共通点はありますか?
志田:
人見知りなところですかね。すれ違った方に「こんにちは」と話しかけられても、ちょっとドギマギしながら答えていたりして。
私も人の目を見て喋るのがあまり得意なほうではないので、似ている部分があるのかなと思っています。あと好きなことになると、饒舌になっちゃうみたいなところも似ているかもしれません。
――最近ではどんなことを語りがちですか?
志田:
「FRUITS ZIPPER」というアイドルのことを、ずっと話しています。伝えたくなっちゃうんです。彼女たちの魅力を。
でもそれって第三者が伝えるよりも彼女たちを直接見てもらわないと伝わらないこともあるので、動画を見てもらって、説明をして、一緒に観に行く、みたいなことになっています。
自分がいわゆる芸能の仕事をしているという感覚があまりない
――「FRUITS ZIPPER」さんのことはInstagramでも推し活報告されていますね。人目を気にせず出ていかれるんですね。
志田:
全然気にならないんです。いろんなところに自由に、何も意識せずに出かけています。
――かつては意識することもあったけれど、今は気にしなくなった、ではなく、ずっと平気ですか?
志田:
そうですね。一般の企業に勤めている友達が多いからでしょうか。地元の友達もそうですし、学生時代に出会ったお友達もそうですね。自分がいわゆる芸能の仕事をしているという感覚が、昔からあまりないままに生活してきています。
10代のときに先輩から指摘された「爪の長さ」
――現在31歳ですが、ドラマデビューから25年目。先輩たちを見ると、あと50年、75周年も夢ではないお仕事です。
志田:
そうやって言っていただくと、「もうそんなに長くこの仕事をしているんだ。自分、頑張っているな(笑)」と思ったりもしますが、数字は意識していません。
いまが楽しくて充実しているので、続けられたらもちろん嬉しいですけど、そのときの自分が楽しいことや、心がワクワクすることをやっていければと思っています。長く続けていることに関しては、周りの方に支えられているのを感じますね。
――俳優の先輩からのアドバイスや注意されたことで、いまも気を付けていること、エピソードがありましたら教えてください。
志田:
10代のころだったと思うのですが、忙しくて、帰ったらとにかくすぐに寝たい!という時期がありました。
あるとき少し爪が伸びてしまっていたことがあって。その時にご一緒していた役者の先輩に「ちゃんと爪は切ったほうがいいよ」と言っていただきました。役者はそういうところも見られているんだ、と意識するようになりました。
どんなに忙しくても見られているし、放置しない。それに、先輩も見ていてくださったということなので、すごくありがたいことだなと思いました。
「変わらないね」と声をかけてもらえることが多い
――逆に言われて嬉しかった言葉は?
志田:
友達でもスタッフさんでも、久しぶりに会ったときに「変わらないね」と声をかけてもらえることが多くて、それがいつも嬉しいです。特に相手がスタッフさんの場合は「初心を忘れていない」ということだと思って、自分でも「そのままでいよう」といい意味で捉えています。
――人と仕事をしていくうえで、気を付けていることを教えてください。
志田:
挨拶です。どんなに朝が早くても、「おはようございます」から始まると「よし!」と気合が入ります。それからお世話になった方に「ありがとうございました」と伝えること。
ものすごく当たり前のことですけど、毎日、現場とか、同じ仕事場に行っていると、どうしても疎かになってくる部分もあると思うんです。だからこそ、最初のスタートと、終わりは大事にしたいと思っています。
――ありがとうございました。改めて、『下山メシ』がスタートしました。最後にひと言お願いします。
志田:
『下山メシ』は私みたいな登山未経験の人でも行きやすい場所が多く出てきますし、その帰りにフラッと寄れる駅近の名店もたくさん登場します。
私もプライベートで行きたいなと思っていますし、ドラマと同じルートを真似すると、充実した1日になると思います。心の底からおすすめです!
<取材・文・撮影:望月ふみ>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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