11月21日(木) 7:45
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇20日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>
国内女子ツアーはいよいよ今シーズンの締めくくりとなる最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」が始まる。今季ツアー優勝者や、メルセデス・ランキング(以下MR)上位者ら40人の戦い。その展望を青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が読み解く。
■警戒すべきところは?
舞台となる宮崎カントリークラブは海辺の森林のなかにセパレートされたコースで狭くラフも深い。「今週は芝質にみんな苦労すると思います。いろんな芝があって、見たこともない芝もあります。普通のラフもあれば、ティフトン芝っぽいところも結構あって難しい。とにかくフェアウェイのキープが大事となります」とバーディチャンスにつけるためには、ティショットはフェアウェイを捉えることが“必須”となりそうだ。
さらに「なるべくはパーオンの狙いもセンターになりますね」とコーライのグリーンは跳ねやすく、グリーン周りのラフはティフトン芝も多いためボールが埋まりやすい。アプローチが難しくなることから、ただただピンを狙うとスコアを崩す原因となりそうだ。「あとは、芽を知っていないとぜったいに戦えないです。見た目ではわからないです、正直」とグリーン上のライン読みは苦労しそうだ。練習ラウンドなどで「しっかり情報を入れることが大事」と警戒していた。
■コーライグリーンの攻略法は?
「(ボールの)落下角度が45度以上を確保できればボールを止められる確率が高いです。ランディングアングル(落下角度)というのですが、45度以上をキープできれば、ピンを狙っていいと思います。それ以下だと高さが足らなくてコロコロ転がったり、手前に落とすと距離がつかめないので予測ができない」
パッティングでは「コーライで芽が強いゆえに、とにかく“芯”で打ち抜くことが大切」とコーライならではの芝芽を対策するには、“芯”を外さないストロークがカギとなる。「少しでも芯がズレた瞬間」にラインから外れると分析。「50センチでも入らない可能性が高いです」と、グリーン上では神経を使うことになりそうだ。
スコアメイクのカギは「ティショットをフェアウェイにしっかり置いて、狙いはグリーンセンター。そこから芽や傾斜の情報をもとにパターを頑張る」と話す。シンプルに思えるが、それが簡単にできないコースレイアウトでもある。だからと言って。パーオンしたからチャンスとは言い切れないほど「本当にグリーン上は難しいのでより“明確”に事前準備が大切」と、言い切った。
■勝つ自信も持った選手、歴代覇者に注目
そのなかで、3試合前の「伊藤園レディス」で今季“年間女王”を獲得した竹田麗央、22,23年大会の覇者である山下美夢有、20年大会覇者の原英莉花の3人の活躍に期待した。「先週、竹田さん、山下さんと回りましたが、かなり仕上がっていましたね」と話す。「竹田さんは“極上フェード”で、山下さんは右にしっかり打ち出したドローで、二人ともピンにしか飛ばない」と好調な状態を見ている。
とくに「竹田さんは優勝してから初めてのリコーになる」こともあり、昨年とは違う自信を持って挑まれることが予想される。「その自信をこのフィールドにつなげてくるのかと言うのは楽しみです」と年間8勝の強さは見どころだ。「山下さんはパターもアプローチもとにかく上手い。欠ける部分がひとつもなく感じます」と大きな期待を寄せる。
しかし、「この二人が優勝争いするのは間違いないんですけども…」と言葉を詰まらせる。それは「原さん。今年はまだ勝てていませんが、勝ちたい意欲はとても伝わってきますし、なによりもチャンスが溢れている。このコースは嫌いではないと思うし、歴代なのでいいイメージはあると思います」と、来季の米国女子ツアーの出場権をかけた予選会でファイナルステージにコマを進めている原も優勝争いに加わることを予想した。
「とにかく最後の試合なので、この宮崎カントリー倶楽部に合わせていかないといけない」とショット、アプローチ、パッティングなどコースの罠にかからず攻略できた選手が上位に名を連ねると見ている。
さらに気持ちの持ち方もポイントとなる。「このコース苦手…と、言っていたら順位が下がるだけ。このコースが得意だ! というマインドセットも大事になると思います。竹田さん、山下さんはそれができているし、原さんはメジャークイーン。調子を上げてくるのではないかなと思っています」と見通しを立てた。