11月21日(木) 8:45
<カシオワールドオープン 事前情報◇20日◇Kochi黒潮カントリークラブ (高知県)◇7350ヤード・パー72>
昨年大会、プロ転向12年目にしてツアー初優勝を遂げた鍋谷太一。あふれ出るうれし涙を流してから一年、「懐かしい感じですね」とディフェンディングチャンピオンが高知の舞台に帰ってきた。
「あれからもう一年か」。時の流れは早く今シーズンもがむしゃらに駆け抜けた。「2勝目、3勝目と積み重ねられる選手になりたい」という気持ちが強く芽生え、初優勝を手にしたからと言って常に挑戦者としての気持ちに変わりはない。「プロアマに呼んでいただいたり、いい組み合わせに入れていただけたのは、優勝したからこそ経験できたこと」。気持ちの変化はないが、昨年の勝利で鍋谷の経験値はグッと上がった。
そして、その「いい組み合わせ」はもちろん今大会に反映されており、ホストプロの石川遼と、2021年覇者・堀川未来夢との組み合わせ。「堀川さんはもちろん、遼君大好きなのでそれがうれしいですよね」。以前から“石川好き”を公言しており「2日間も一緒に回れる。予選ラウンドはハグしたいな。できるかわからんけど(笑)」とおどけてみせた。
さらに、「前夜祭で手を繋ぎました」と石川への“愛”が止まらない。しかも石川から手を繋ごうと言われたそうで「遼君の手の感触が未だに残っています」とうれしそうに話す、ほんわかエピソードを披露した。
大会連覇の挑戦権を持って臨むことになるが、10月に行われた「ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント」、「日本オープン」は立て続けに棄権し「不安要素が大きい」中で大会を迎えた。ただ、「三井住友VISA太平洋マスターズ」以降は決勝ラウンドへ進出し、「ダンロップフェニックス」では19位タイと復調傾向。「ショットの状態はそこそこ上がっている」。「去年はパターを全部入れやるという気持ちでやっていて、今年もその戦法でやるしかない」。攻めのパッティングで、昨年の再現を狙う。
「試合中は持ち味のうるささは出せないことが難点ですが、一人でも多くの人に鍋谷太一を覚えてもらえれば」。軽快なトークで時折、報道陣を笑わせる明るいキャラクターの鍋谷。大会連覇で多くの人々にインパクトを残したい。(文・齊藤啓介)