「子供が独立世代」にプロが勧める保険ランキング!必要なのは「がん保険」だけ

入院中は高額療養費制度で対応できるが、がんとの付き合いは生涯続く。思わぬ収入減も(写真:metamo

「子供が独立世代」にプロが勧める保険ランキング!必要なのは「がん保険」だけ

11月21日(木) 11:00

物価高が続き、家計が厳しい。食費などの節約では“焼け石に水”だと嘆く人も多いだろう。

「固定費を見直しましょう。なかでも、保険の見直しが効果的です」

そう話すのは『1日1分読むだけで身につく保険の選び方大全100』(自由国民社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。子供が大学を卒業し独立した世代には「生命保険は必要ない」と言う。

生命保険は、大黒柱が亡くなっても子供が生活費や学費に困らないよう、大きな死亡保障を選ぶ人が多い。だが、子供が独立したら、その役目は終了。大きな死亡保険金はいらないので、生命保険は解約してもいいという。

また、中高年は自分の健康に不安を持ち「医療保険は必要」と考える人が多いが、長尾さんは「医療保険こそ不要」と断言する。

「公的な健康保険があるので、医療費は現役世代なら3割負担です。そのうえ『高額療養費制度』も利用できます」(長尾さん、以下同)

高額療養費制度とは、1カ月に払う医療費が高額な場合、申請すれば一定額以上は払い戻される制度だ。一般的な収入の人なら100万円の医療費がかかっても、自己負担は月9万円程度に抑えられる。

「医療保険に加入しなくても、貯蓄でカバーできるでしょう。医療費は大きなリスクではありません」

長尾さんが以前14日間入院し手術を受けた際、かかった費用を見てみよう。高額療養費制度を利用して医療費の自己負担は8万9千円。差額ベッド代と食費などで合計約14万円払ったという。

仮に一般的な医療保険に加入していたら、日額5千円の入院給付金が14日分で7万円。手術給付金が1万円で合計8万円を受け取ることになる。 いっぽう保険料は月3千円だとしても、1年で3万6千円、2年3カ月で8万1千円払うことに。

「2年3カ月以上加入していたら、受け取る保険金8万円より、払う保険料のほうが多くなる。つまり“損”することになります」

最近は入院期間が短くなって、入院日額〇円タイプの医療保険の存在意義は薄れている。 民間保険はすべて不要だろうか。

「がん保険は加入する価値があると思います。がんも医療費リスクはありませんが、ほかの病気にはないリスクが2つあるからです」

がん特有のリスクの1つは、治療が長期化し、収入が減ることだ。

「働きながらがん治療をする人は増えていますが、体調が悪く仕事を休んだり残業ができない日もあるでしょう。そのため、休職や退職を決断する人もいます」

がんになってから収入が「平均22%減少した」というデータも(2020年、ライフネット生命保険)。

もう1つのリスクは、自由診療などで医療費が高額化することだ。

実は、日本の新薬認可は遅れている。欧米では承認済みのがん関連の医薬品が、日本では193品目も未承認薬や適応外薬だというのだ。

「未承認薬は、健康保険の適用外ですから10割負担です。最近の医薬品は超高額で数百万~数千万円かかるものも珍しくありません。

がんの治療に未承認薬が有効な場合もあり、高額治療に備えておく必要があります」

■一時金と給付金が両方もらえ自由診療にも対応できる保険

がん保険は加入中の人も多いが。

「10年以上前に加入したがん保険は見直したほうがいいでしょう。保障内容が大きく変わっています」

どんな点が変わったのだろう。

「以前は、がんと診断されたときの一時金と、入院や手術の給付金がついたものが一般的でした。

いまは手術だけでなく、抗がん剤治療や放射線治療にも給付金が支払われます。それにがんと診断されたときの一時金が1回限りではありません。がんの転移や再発、新たながんの発症、また、がんの治療が1年以上続いているときも、年に1回、何年でも支払われます」

発売時期の新しいがん保険ならいいのだろうか。

「いまのがん保険は2つのタイプがあります。(1)年に1回、100万円などの『がん診断給付金』を重視するタイプと、(2)抗がん剤でも放射線でもがんの治療を行っていれば月10万円出る『がん治療給付金』を重視するタイプです」

早期発見などで治療が短期間で済めば(1)がん診断給付金タイプ、治療が長期化すれば(2)がん治療給付金タイプがよいだろう。

「ただ、治療期間など誰にも予測できません。ならば、がん診断一時金とがん治療給付金の両方手厚い“欲張り保険”で、がんによる収入減に備えましょう。自由診療の費用を保障する特約も忘れずに」

現在発売中のがん保険のうち、長尾さんがおすすめのものを5つ選んでもらった。BEST5はほとんどが、がん診断一時金が年に1回100万円、がん治療給付金は治療が続く限り毎月10万円受け取れ、自由診療などの特約も付いている。

「ネットでの見積もりは簡単です。保障をいろいろ変えてご検討を」

ほかの保険は解約しても、がんには保険で備えるのが得策だ。

web女性自身

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