11月21日(木) 3:50
28歳の同僚が高校卒業(18歳で卒業)ないしは大学卒業(22歳で卒業)から定期的に貯金をしていると仮定しましょう。その場合、700万円を貯めるには、おおむね以下のようなペースでの貯金が必要です。
・高校卒業(10年間の貯蓄):年間70万円(月6万円)
・大学卒業(6年間の貯蓄):年間117万円(月10万円)
ではこの貯金額が無理のない数字なのか、年収と支出の観点から見ていきましょう。
今回のケースは年収500万円ですが、手取りはおおよそ400万円前後くらいでしょう。仮に400万円を受け取っているとすると、ボーナスを加味しない場合、毎月33万3300円ほどを生活費に使える計算になります。
総務省統計局の家計調査報告によると、単身世帯における消費支出の月平均額は16万7620円でした。手取りから差し引くと、16万5680円ほど残ります。
仮に同僚が、平均と同程度の消費支出におさえているとすれば、毎月6万円ないしは10万円の貯金をすることも可能でしょう。
コンビニは少し単価が高めのイメージがあるかもしれません。しかし500~600円のお弁当を買うのと、1個150円ほどのおにぎりを2つ買うのでは差があります。
同僚がいくら昼食代に使っているかは分かりませんが、思ったよりも食費がかかっていないのかもしれません。
また仮にコンビニで買う昼食の単価が高く食費がかかっていても、ほかの出費が少なければ、毎月決まった額を貯蓄に回すことは可能です。もしかしたら同僚は比較的家賃が安い物件に住んでいるかもしれませんし、交通費や交際費、趣味などにかかるお金が非常に少ないかもしれません。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)によると、20代単身世帯の金融資産(預貯金、保険商品、株式、債券なども含む)の保有状況は表1の通りです。
表1
金融資産保有額
(20代単身世帯) |
全体に対する割合(%) |
---|---|
金融資産非保有 | 43.9 |
100万円未満 | 23.0 |
100~200万円未満 | 10.9 |
200~300万円未満 | 5.3 |
300~400万円未満 | 4.9 |
400~500万円未満 | 2.6 |
500~700万円未満 | 4.0 |
700~1000万円未満 | 2.2 |
1000~1500万円未満 | 1.6 |
1500万円~ | 0.0 |
中央値 | 9万円 |
※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
700~1000万円未満の金融資産を持っている単身世帯はわずか2.2%にとどまりました。また中央値はわずか9万円です。この数値を見ると、700万円の貯蓄を持っている同僚はマイナーケースといえるでしょう。
昼食を毎日コンビニですませているとしても、年収と支出のバランスがよければ、28歳で貯蓄700万円は十分達成可能な数値でしょう。もちろんライフスタイルは人それぞれであるため、状況によっては700万円は難しいかもしれません。
いずれにしても、支出をしっかりコントロールし、かつ一定の収入を確保することで、貯蓄額を少しずつ増やせるでしょう。
総務省統計局家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年) 平均結果の概要(15ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると家計の金融行動に関する調査[単身世帯調査](令和5年)表番号4
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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