<ONE AND ONLY Vol.7>が、11月14日(木)に白金高輪SELENEb2で開催された。
<ONE AND ONLY>は、“日々新しい存在が生まれて成長していくアイドルシーンを、楽曲、パフォーマンス、トーク、ファッション、ソーシャルなどさまざまな角度で切り取り、次世代の唯一無二、かげがえのない「ONE AND ONLY」を生み出すことを目指す”というコンセプトを掲げるアイドルイベント。
その第7弾となったこの日には、KAWAII LAB. MATES、SCRAMBLE SMILE、美味しい曖昧、Onephony、FES☆TIVE、CANDY TUNEの6組が出演。それぞれが多彩なパフォーマンスを披露し、会場に大きな熱狂を生み出した。
本記事では、各グループから1名をピックアップして、そのメンバーに焦点を当てたライブレポートをお届けする。
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取材&文:竹内伸一
■KAWAII LAB. MATES(ピックアップアイドル:中山こはく)ひたむきなパフォーマンスで解き放ったフレッシュな輝き
この日のトップバッターはKAWAII LAB. MATES。9人組の彼女たちだが、ライブでは曲ごとに編成を変えて7人でパフォーマンスすることが定番になっており、中山こはくは2曲目から登場となった。
「NEW KAWAII」が終わり、場内が暗転する中、静かにステージに現れた彼女は、「完璧主義で☆」が始まると明るい笑顔を振りまきながらはつらつと歌い踊る。その姿は一生懸命に、ひたむきに取り組んでいるといった雰囲気で、アイドルの原点を思わせるものだった。
一転、重低音のダンスビートを持つ「ミチシルベ」では、クールな表情で激しいパフォーマンスを披露。また別の一面を垣間見せた。
ラストのオリジナル曲「わたしの進路が決まったら」では再び笑顔で歌い踊り、《ついてきてくれる?》の台詞を可愛らしくキメる。会場からは大きな歓声が上がり、彼女の奮闘を讃えていた。
■SCRAMBLE SMILE(ピックアップアイドル:峰島こまき)緩急自在なステージングで生み出した圧倒的存在感
SEに乗って軽快にステージに登場したSCRAMBLE SMILEの峰島こまきは、「AGE⇔DECHI」のイントロから会場中に視線を送り、ファンの期待を高めていく。フォーメーションでステージの後方に立っている時でも、隙あらば笑顔でファンに手を振るなどしてアピール。スクスマは9月にスタートしたばかりのグループだが、彼女自身はアイドルとしての豊富な経験を持っており、観客の気持ちを惹きつけていく術はその賜物といったところだろうか。
もちろん、そのパフォーマンスも見事の一言。スピード感とキレのある動きで迫力あるシーンを作り出したかと思えば、ゆったりとしたしなやかな動きで優雅な雰囲気を醸し出す。そんなふうに緩急のつけ方が巧みだからだろうか、ステージ上ではひときわ存在感を放っているようにも見えた。
また、ラストの「今日から運命!」では落ちサビを切なく歌い上げて、その歌声でも魅了してくれた。
■美味しい曖昧(ピックアップアイドル:切兎うずめ)イスに座りながらも響かせた鮮烈なる歌声
美味しい曖昧の切兎うずめは、膝のケガのために現在はイスに座ってライブを行なっており、この日もステージ上手には彼女のためのイスが用意されていた。しかし、1曲目の「ユーグレナはわかんない」はイスの前に立ち上がって歌い踊る。フォーメーションに加わることはなかったが、その表情は実に楽しそうだった。
“私たちの世界にたっぷり浸かってください”という切兎の口上で始まった「ナブルナブルナブル」では、イスに座って足を組みながら力強い歌声を響かせる。そのクールな佇まいは、エレクトロスウィングを思わせる楽曲に見事にマッチしていた。
後半は再び立ち上がって会場を煽りまくる。“クラップ!”と促したり、立ち上がって視線を四方に送ったり、ラストの「ステフリ!」では、ステージを下りて最前列のファンにアピールする場面も。
まだまだステージを駆けまわることはできないようだが、そのぶん、工夫を凝らしてライブを盛り上げる姿が印象的だった。なお、この日はバックにMVを流してパフォーマンスをするという趣向。初期の楽曲では初々しい姿のメンバーを背景に、現在の彼女たちが歌い踊るというなんだか不可思議なシーンも生まれ、それも含めて見応えのあるライブだった。
■Onephony(ピックアップアイドル:田島櫻子)優雅かつ可憐なパフォーマンスでフロアの視線を釘付けに
Onephonyの登場を告げるSEが流れると真っ先にステージに現れた田島櫻子は、「想対論」を軽やかにパフォーマンス。しなやかで優雅な動きと微笑みをたたえた表情からは気品が漂うかのよう。途中、髪に付けていたリボンが取れるアクシデントがあったが、しゃがみ込む振りのタイミングでそっと袖にリボンを投げ込む……その所作も何だか優雅に感じられた。
アップテンポの「Going my way」では凛々しい表情に変わり、力強く拳を振り上げ、「キューピット参上」では歌い出しをめちゃめちゃキュートにキメ、さらに「ウォータープルーフガール」でははつらつとしたパフォーマンスを見せながら、華麗なターンをくり出し、落ちサビで切なげな歌声も披露。そして“ラスト行くよ~っ!”と絶叫を轟かせて、フロアの大歓声を誘発するといった具合いに、曲ごとにしっかりと見せ場を作り、存在感を示していた。
さらにその存在が光ったのが、ラストのMC時。何かアクシデントがあったようで久保田さやかが、先に舞台袖へ。メンバーは先に自己紹介を始めていたが、結局久保田は間に合わず。それを察した田島が最後に“あと、水色担当のさやちゃんが奥にいま~す”とフォロー。機転を利かせて窮地を乗り切っていた。
■FES☆TIVE(ピックアップアイドル:八木ひなた)満開の笑顔とダイナミックなダンスで魅了
“お祭り系”を掲げるFES☆TIVEは、豊富な運動量を駆使したまさにお祭り騒ぎなパフォーマンスでお馴染み。もちろん、八木ひなたのそれも御多分に漏れず、ダイナミックなものであることは言うまでもない。
この日も、「人類!WE ARE ONENESS!」の歌い出しで力強い歌声を響かせてライブをスタートさせると、長い手足を目いっぱい使い、圧巻のパフォーマンスをくり広げていく。特に「HUMAN NATURE WORLD」でハイキックをくり出すシーンでは、格闘家を思わせる打点の高いキックを披露し、会場の視線をさらっていった。そんなダンスをこなすだけでもかなりの運動量だと思うが、加えて留まることなくステージを駆け回り、弾むようにジャンプをくり返す。
“圧巻”などという言葉では物足りないほどの迫力で、観る者を惹きつけていった。などと書くと鬼気迫る姿を想像するかもしれないが、その表情は笑顔が満開。時折、コミカルな表情も垣間見せて、実に楽しそう。もちろん、会場中へ視線を送り、ウインクも飛び出すなどファンサービスも手厚く抜かりなし。
一転、ラストの「シダレヤナギ」では凛々しい表情で、情感たっぷりの歌声を聴かせて、お祭り騒ぎだけに終わらず、ライブをビシっと締めくくるあたりも見事だった。
■CANDY TUNE(ピックアップアイドル:立花琴未)美しさと可愛さ全開の圧巻アクト
トリを務めたCANDY TUNEは、「Overture」に合わせて会場から手拍子が巻き起こる中、華やかに登場。まずは「備えあれば無問題」を小気味よくきびきびとパフォーマンス。コミカルな雰囲気を持つこの曲を、真顔で歌い踊ることで何とも言えない独特の世界観が生まれていた。途中のアクションシーンが立花琴未の見せ場で、クールな表情から鮮烈なキックをキメて、会場を沸かせた。
軽快で楽し気な「倍倍FIGHT!」では彼女の表情にも明るさが増していく。しなやかで美しい動きで視線を集めながらポーズをキメつつもファンに視線を送り、落ちサビではアンニュイな歌声を聴かせるなど、彼女の魅力が溢れ出るかのようなパフォーマンスとなった。
しかし、まだまだ終わらない。「必殺あざとポーズ」では可愛らしさ全開で歌いながら笑顔でファンに手を振ったり、赤いサイリウムを見つけると嬉しそうな表情になって視線を送るなど縦横無尽。さらに《ごめん!待った?》の台詞を、まさにあざといほど必殺の可愛らしさでキメて、これまで以上の大歓声が引き出した。
ラストの「キス・ミー・パティシエ」では、動きも激しくなり、熱気を帯びたダンスを披露。メンバーと目が合うと、メンバーまでも虜にしてしまいそうな、とびきりの笑顔になっていたのが印象的だった。
<ONE AND ONLY Vol.6>
2024年11月9日(土)
渋谷・duo MUSIC EXCHANGE
■KAWAII LAB. MATES
M1NEW KAWAII
M2完璧主義で☆
M3ミチシルベ
M4わたしの進路が決まったら
■SCRAMBLE SMILE
SE
M1AGE⇔DECHI
M2SCRAMBLE SMILE
M3スキパンマン
M4わざとだよ?
M5今日から運命!
■美味しい曖昧
SE
M1ユーグレナはわかんない
M2ナブルナブルナブル
M3Qton
M4マジカルリズム
M5ステフリ!
■Onephony
SE
M1想対論
M2Going my way
M3キューピット参上
M4ウォータープルーフガール
■FES☆TIVE
M1人類!WE ARE ONENESS!
M2ハレとケ!あっぱれ!ジャパニーズ!
M3HUMAN NATURE WORLD
M4シダレヤナギ
■CANDY TUNE
Overture
M1備えあれば無問題
M2倍倍FIGHT!
M3必殺あざとポーズ
M4キスパティINTERMISSION
M5キス・ミー・パティシエ
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