11月21日(木) 2:10
容器包装リサイクル法改正に伴い、2020年7月よりプラスチック製買物袋を扱うすべての小売事業者は「レジ袋」の有料化が義務付けられました。
経済産業省はレジ袋の有料化について、「海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの解決に向けた第一歩として、プラスチック製買物袋の有料化を通じて、マイバッグの持参など、消費者のライフスタイルの変革を促すことが目的」と述べています。
実際、レジ袋の有料化後は、コンビニのレジ袋辞退率が有料化前の約23%から約75%に大幅に上昇したという調査結果も出ています。
一方、環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室「みんなで減らそう レジ袋チャレンジ」広報事務局が2020年に実施した「令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査」によると、2020年11月計測時において、28.1%の方が直近1週間の間に買い物をした店舗でレジ袋をもらった、または買ったと回答しています。
理由について尋ねると、39.9%の方が「マイバッグを持って出るのを忘れたから」、30.6%の方が「ごみ袋として利用するなど必要だったから」と回答しています。一定数の方は有料化後もレジ袋を利用し続けていることが分かる結果となりました。
ごみ袋などに再利用は可能なものの、気になるのはレジ袋のコストです。コンビニ大手3社のレジ袋価格を調べてみると、表1のような結果となりました。
表1
レジ袋のサイズ | 1枚当たりの価格(税込み) | |
---|---|---|
コンビニA | S・L・弁当用 | 一律3円 |
コンビニB | 小・中・大・弁当用・特大 |
小・中:3円
大・弁当用:5円 特大:7円 |
コンビニC | 小・中・大・弁当用・特大 |
小・中・大・弁当用:3円
特大:5円 |
※筆者作成
例えば、コンビニのレジ袋を1日1枚、1年間毎日買い続けた場合の年間コストは、表2のようになります。
表2
レジ袋1枚当たりの価格(税込み) | 1年間(365日)毎日購入した場合の年間コスト(税込み) |
---|---|
3円 | 1095円 |
5円 | 1825円 |
7円 | 2555円 |
※筆者作成
このように、コンビニで毎日レジ袋を買うと年間「1095円~2555円」程度の出費となることが分かりました。
一方、スーパーなどでごみ袋用に「ポリ袋」を買うと、いくらくらいのコストになるのでしょうか。ネットスーパー3社で売られている「持ち手付きポリ袋 Lサイズ」の価格から1枚当たりの単価を計算すると、表3のような結果となりました。
表3
1枚当たりの価格(税込み) | |
---|---|
ネットスーパーA | 約5円 |
ネットスーパーB | 約6円 |
ネットスーパーC | 約7円 |
※筆者作成
1年間毎日、1日1枚使用したと仮定し年間のコストを計算すると、表4のような結果となります。
表4
1枚当たりの価格(税込み) | 1年間(365日)毎日1日1枚使用した場合の年間コスト(税込み) |
---|---|
約5円 | 約1825円 |
約6円 | 約2190円 |
約7円 | 約2555円 |
※筆者作成
このように、スーパーなどで売られている持ち手付きポリ袋を購入すると、年間で「1825円~2555円」程度の出費となるケースがあることが分かりました。
ここまで見てきたように、コンビニでレジ袋を購入する場合の年間コストは「1095円~2555円」程度、スーパーで持ち手付きポリ袋を購入する場合の年間コストは「1825円~2555円」程度です。
そのため、1枚当たり3円のレジ袋であれば、スーパーで売られている持ち手付きポリ袋に比べ、年間「730円~1460円」程度の節約となる可能性があります。一方、1枚5円や7円のレジ袋を購入してしまうと、節約効果はあまり得られないようです。
今回はコンビニのレジ袋に着目し、「レジ袋」と「ごみ袋」のコストを比較してみました。試算の結果、1枚当たり3円のレジ袋であれば、スーパーで売られている持ち手付きポリ袋よりお得になる可能性があります。しかし、大きいサイズのレジ袋を購入してしまうと、節約効果はあまり得られないでしょう。
節約だけでなく、環境問題の解決にもつながるため、買い物の際はなるべくエコバッグを持って出掛けることをおすすめします。
経済産業省 レジ袋有料化 Q&Aガイド(2ページ)
環境省環境再生・資源循環局総務課 リサイクル推進室 「みんなで減らそう レジ袋チャレンジ」広報事務局 令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査(2ページ、5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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