【第1話】から読む。
前回からの続き。私(ナオコ、55歳)は、夫と2人暮らし。息子2人は成人して家を出ています。遠方の実家で80歳の実母が1人暮らしをしており、既婚の妹2人(次女:ユカ、53歳)(三女:サヤカ、50歳)は他県在住です。実家のお墓は母が亡くなったあとの三回忌を目安に墓じまいをすることになりました。それなのに、サヤカが「もし母の三回忌までに自分が亡くなったら、一旦実家の墓に入りたい」と言いはじめたので、困惑しています。サヤカは義実家の墓には入らないそうです。
「レイカちゃんやヨシユキ(サヤカの夫)さんに『墓じまいしたくない』なんて言われたら、困るよ」と言っても、わかったのかわかっていないのかよくわからない返事。昔からサヤカはあまり物事を深く考えないところがあります。いつも何もしないのに自分の希望だけ言って、まわりのみんなが叶えてくれると思っているのです。
私は昔からこまごま気がつくというか気が回るタイプです。そのおかげでいいこともたくさんあったけど、結局私がやらないといけないことが増えてしまうことが多々ありました。母が亡くなったあとの法事や親戚への連絡なども私がやるに決まっています。これまでの経験から明らかです。
母がお金を用意し、お寺との話をつけてくれているのは助かりますが、「墓じまい」なんて喜んでやりたいものではありません。
「墓じまい」と一言で言うのは簡単だけど、やるべきことはたくさんあるはずです。もしサヤカが実家のお墓に入ると、姪のレイカちゃんやサヤカの夫・ヨシユキさんの意向でお墓が残る可能性もあります。そうなると、私の子どもにも影響がおよぶかもしれません。
サヤカは「自分のお墓がない!」という事実に囚われ、どうもまわりが見えていないように思えてなりません。
【第6話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・rollingdell春野さくら編集・塚田萌
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