北米で異例の大ヒットを記録したイマジネーションホラー『SKINAMARINK/スキナマリンク』が2025年2月21日(金)より公開される。このたび、本作の予告編、ポスタービジュアルが解禁となった。
【写真を見る】薄く赤暗い照明に灯された廊下から暗闇へと向かう“子どもの足”が写された場面写真
本作は「史上最も恐ろしい映画」、「本能的な恐怖を思いだす」とネット上で賛否両論を呼んだホラー映画。人々の悪夢を再現した短編映像をYouTubeチャンネルに投稿し、新鋭の映像作家としてキャリアを重ねるカイル・エドワード・ボールにとって本作が衝撃の長編監督デビュー作となる。制作費はわずか15,000ドルにもかかわらず、692館という異例の規模で北米公開され、最終興行収入は約200万ドルという驚異の数字を叩きだした。まるで現実と悪夢の境界を彷徨うような実験的な映像と解釈を委ねるミニマリスティックな演出が、魅惑的で悍ましい映像体験へと誘う。暗闇に照らされた異様な光景を目の前に、身体は恐怖に縛られ、自ずと掻き立つ想像力によってさらなる阿鼻叫喚の渦が巻き起こる。
今回解禁された予告編は、窓やドアがすべて消えてしまった家に取り残された2人の子ども、ケヴィンとケイリーが、2階で目撃した“なにか”についてひそひそ声で話す不穏なシーンから始まる。いつもとは様子が異なる暗闇に包まれた部屋を、テレビの光や懐中電灯などの僅かな明かりを頼りにその正体を探ろうとするが、闇に身を潜めた不気味なおもちゃや髪の長い謎の人物、不吉に繰り返されるカートゥーンアニメの音楽など、次々と不可思議な光景を目の当たりにすることに。ざらついたVHSの映像のような荒い画質とノイズを主体とした怪しい映像が、観る者の想像力を試す。
あわせて解禁されたポスタービジュアルでは、なぜか上下逆さまの薄暗い廊下に座り込むケヴィンの後ろ姿が切り取られている。さらに天井へと伸びる底知れぬ暗黒の光景にどこか得体の知れない恐怖と不安を覚えるデザインだ。「躙り寄る悪夢。」というコピーに、影のごとく付き纏う目に見えない恐怖が、じりじりと迫りくるような気配を感じさせる秀逸なビジュアルとなった。
なお本作の功績が認められたボール監督は、日本でも人気を獲得した『ヘレディタリー/継承』(18)や『ミッドサマー』(20)を手がけた製作会社「A24」とタッグを組み、次回作ホラー映画『The Land of Nod』(原題)を制作する情報も発表されている。
新感覚の「内なる最も深い恐怖が目覚めるイマジネーションホラー」とはどのようなものなのか?次世代のホラー映画の盛り上げ役として、活躍が期待されているボール監督のデビュー作をぜひ劇場で目撃してほしい。
文/鈴木レイヤ
【関連記事】
・
闇バイト、BL、ディープフェイク…大森時生が放つ「フィクショナル」、酒井善三監督が明かした黒沢清への憧憬
・
「第3回日本ホラー映画大賞」清水崇監督、堀未央奈ら審査員満場一致の大賞!片桐絵梨子『夏の午後、おるすばんをしているの』
・
感謝祭目前にA24が低予算ホラーで勝負!“ロマコメの帝王”ヒュー・グラント主演『Heretic』が北米ランキングに初登場
・
「訓練後、役者が“鳥語”で話すようになっていた」『動物界』で新鋭監督が描いた“自己発見”というテーマ
・
北米中が恐怖したイマジネーション・ホラー『SKINAMARINK/スキナマリンク』日本公開決定