11月20日(水) 4:30
サンキューハザードとは、車線変更や本線に合流するときなどに道を譲ってくれた車に対してハザードランプを2~3回点滅させる行為です。名前の通り「ありがとう」の気持ちを伝える方法として使う運転手がいます。
ただ、サンキューハザードはハザードランプ本来の使用法とは異なり、地域や状況によって意味合いが異なる場合があります。ドライバーたちの間で自然と広まったコミュニケーションであり、誰もが知る共通のルールではありません。
サンキューハザードはドライバーの間で気持ち良く運転するためのコミュニケーションの1つとして取り入れられていますが、メリットだけではありません。なぜなら、サンキューハザードはハザードランプ本来の使用目的から逸脱しているからです。
ハザードランプは、正式には非常点滅表示灯と呼ばれています。道路交通法施行令では、ハザードランプは夜間、道路幅が5.5メートル以上の道路に駐停車するときに使用すると定められています。
通園・通学バスが子どもの乗り降りのために停車するときもハザードランプの点灯が必要です。駐車場で駐車するときにその意思を伝えるリバースハザードや高速道路で渋滞の最後尾を知らせるためにハザードランプを点滅させることもあります。
走行中、お礼の意味でハザードランプを点滅させても後継車がサンキューハザードを知らない可能性も考えられます。サンキューハザードを知らない場合、「何か危険があるのでは? 」と思い減速したり停車したりしてしまうかもしれません。思わぬ事故につながってしまう可能性があります。
また、サンキューハザードをすることに意識が向いたことでわき見してしまい、事故につながる可能性もゼロではありません。
サンキューハザードを知らないのは、安い合宿免許を選んだからではありません。
自動車教習所には通学タイプや合宿タイプなどさまざまな種類がありますが、道路交通法令の定める基準に適合しているものを公安委員会が指定した人的配置や物的配置で運営をしています。そのため、自動車教習所により指導内容や学科時間が大きくバラつくことはありません。
安価な自動車教習所やプランを選択したからと言って、運転に必要な法律や技能を教えてもらえないということは絶対にないのです。
サンキューハザードは法律で決められているのではなく、ドライバー同士が気持ち良く過ごすためのコミュニケーションの1つです。
サンキューハザードはあくまで「お礼」の気持ちを表すコミュニケーションです。法律で決められた行為ではありませんし、思わぬ事故を招く可能性もあります。無理してまで行うものではないと覚えておきましょう。
e-GOV法令検索 道路交通法
警視庁ホームページ 道路交通法
全日本指定自動車教習所協会連合会(全指連) 指定自動車教習所とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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