11月20日(水) 5:20
お風呂の温度を40度から42度に上げると、少なからずガス代が増加しますが、その影響はどの程度なのでしょうか。
東京ガス株式会社の一般契約料金B表によると、都市ガス1立方メートル(発熱量1万750キロカロリー)あたりの2024年12月検針分のガス代は163.07円です。1リットルの水を1度上昇させるのに必要なガス代は、「1立方メートル当たりのガス代÷(発熱量×発熱効率)」で求められます。
これらをもとに発熱効率を80%と仮定して計算すると、「163.07÷1万750÷0.8 = 0.019」となり、1リットルの水を1度上昇させるのに必要なガス代は約0.019円となります。
お風呂に使うお湯の量を200リットルと仮定した場合、温度を2度上げると「0.019×200×2=7.6」となり、1回の入浴につき約7.6円上昇する計算になります。「たった7.6円」と思うかもしれませんが、毎日入浴するご家庭では1ヶ月で約228円の増加になります。これを年間で考えると2736円となり、大きな金額と感じる人もいるでしょう。
特に冬場は冷え込むため、設定温度を保つためのエネルギー消費が増え、ガス代がさらに上がる傾向があります。そのため、日頃の使い方を工夫することで、入浴の快適さと家計の節約を両立させることが可能です。
ガス代にどれだけ影響が出るかは、さまざまな要因によって決まります。浴槽にためるお湯の量が多いほど、温度を上げるために必要なエネルギーも多くなるため、その分ガス代が高くなります。
また、外気温も影響する重要な要素です。外気温が下がる冬季は、浴室の温度が下がりやすく、お湯が冷めやすくなるため、ガス代がさらに上がりやすくなります。
さらに、追いだきを頻繁に行う場合もガス代がかさむ原因になります。お風呂を再加熱する追いだきは、お湯を一定の温度に保つためにエネルギーを消費するため、追いだき回数が増えるほどガス代が上がります。入浴時間が長くなると、その分だけお湯の温度が下がりやすくなり、追加の加熱が必要になることも影響の一つです。
このように、ガス代は設定温度だけでなく、外気温や使用習慣といった複数の要因で変動するため、毎日の入浴方法を工夫することが節約につながります。
寒い季節に快適な温度で入浴しつつ、ガス代を抑えるための具体的な工夫をいくつかご紹介します。
まずは、浴槽にふたをすることです。ふたをしておけば、お湯の熱が逃げにくくなり、追いだきの回数を減らせます。特に寒い時期には、ふたをこまめにするだけでガス代の節約に大きく貢献します。
また、入浴時間を調整するのも一つの方法です。例えば、家族全員が続けて入浴することで、お湯が冷めにくくなり、再加熱の必要が減ります。長時間の入浴を避けることで、お湯の冷め方も穏やかになり、ガス代を抑えることができます。
お風呂の温度を少し上げるだけでも、確かにガス代が増加することはありますが、その影響は工夫次第で十分に抑えられます。浴槽にふたをしたり、家族で続けて入浴したりするなど、ちょっとした習慣を取り入れるだけで、ガス代の節約と入浴の快適さを両立できます。
寒い季節だからこそ、温かいお風呂でリラックスしたいものです。家計を気にしながらも快適な入浴を楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてください。
東京ガス株式会社 原料費調整制度に基づく2024年12月検針分のガス料金について(東京地区等)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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