11月20日(水) 4:40
ボーナスは「賞与」とも呼ばれます。労働基準法の通達では、賞与は「労働者の勤務成績に応じて支給されるもので、支給額が事前には確定していないもの」「定期的に支給され、その額があらかじめ決まっているものは、名前にかかわらず賞与とはみなさない」と定義されています。
つまり、次の2つの条件を満たしているものがボーナスと呼ばれます。
・定期的または臨時に支給され、働きに応じて金額が変わる
・支給額が事前に確定していない
「ボーナスは年に2回、必ず支給されるもの」と思っている人もいるかもしれませんが、実際はそうとは限りません。
毎月の給与に関しては、最低賃金法で「最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定められていますが、ボーナスについては特に定めがありません。つまり、会社にはボーナスの支給義務がないため、支給の有無や金額は会社の判断に委ねられています。
会社の業績が悪くなると、ボーナスが減額されたり支給されなかったりすることがあるのは事実です。しかし、なかにはボーナス分を年収に含み、毎月の給与を高めに設定して支給する会社もあります。そのため、「ボーナスがない=業績が悪い」とは一概にはいえないのです。
自分の勤めている会社でボーナスが支給されない場合、「ほかにもボーナスが支給されない会社はあるのかな?」「みんな平均どれくらいもらえるんだろう?」と気になる人もいるでしょう。
株式会社帝国データバンクの調査によると、2023年冬のボーナスについて、79.9%の会社がボーナスを支給し、12.2%の会社がボーナスを支給しないと報告されています。割合としてはボーナスの支給がある会社が圧倒的に多いですが、一方でボーナスが支給されない会社も一定数存在していることが分かります。
また、一般社団法人日本経済団体連合会の調査によると、2023年冬のボーナスの平均支給額は90万6413円という結果が出ています。
ただし、この金額はあくまで従業員数500名以上の大手会社のデータをもとにした平均であり、全ての会社がこの額を支給するわけではありません。業種や会社の規模によっては、この平均値よりもボーナスが少ない人や、全く支給されない人もいるのが現実です。
ボーナスが支給されない会社に勤めているからといって、必ずしも会社の業績が悪いわけではありません。実際、ボーナス制度を採用せず、その分を毎月の給与に上乗せして従業員に還元している会社もあるのです。
ボーナスについて周囲の人と比べてしまうのは、自然な気持ちと理解できますが、大切なのは自分が何を重視するのかという価値観ではないでしょうか。給与水準、福利厚生、働き方の柔軟性などを見直し、自分の価値観に合った待遇が得られているかを考えてみてはどうでしょうか。
厚生労働省 労働基準法の施行に関する件
e-Gov法令検索 最低賃金法
株式会社帝国データバンク 2023年冬季賞与の動向調査
執筆者:山田麻耶
FP2級
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