11月20日(水) 5:00
ニッセイ基礎研究所が投資経験者に行った調査によると、現在利用している投資先として株式65.1%、株式投信・ETF34.8%に対して、仮想通貨は10.2%、不動産投資は3.4%となっています。属性別に見ると、仮想通貨は20~30代よりも40代が多く、さらに仮想通貨に投資している人の投資経験は3~5年未満が21.3%と最も高くなっています。
同レポートによると、投資経験が3~5年未満で仮想通貨に投資している人は21.3%となっていますが、投資歴5年以上で仮想通貨に投資している人は8.6%と全体平均よりも少ない割合となっています。
また、今後利用してみたい投資先について、仮想通貨と回答した人は投資歴3~5年未満が最も多く、不動産投資と回答した人は投資歴1年未満や2~3年未満の人が多くなっています。一方で、投資歴5年以上の人は仮想通貨、不動産投資とも全体平均よりも低い割合となっています。
投資歴5年以上の人は、株式、株式投信・ETFの割合が高く、王道の投資先を選択する人が多くなっています。また、不動産ではなく、REIT(不動産投資信託)についても、ほかの経験者層よりも今後利用してみたい投資先として考えている人の割合が高くなっています。
SNSやネット上では、「仮想通貨で億り人」や「FIRE(経済的自立+早期退職)する方法」などの情報があふれています。
今や個人投資家の情報源はYouTubeやSNSが主流となりつつありますので、このような情報に影響された投資初心者が、ネットやSNSでおすすめされた金融商品を買ったり、過剰なリスクを取るような投資行動をしてしまったりする可能性は十分あり得ます。
また、2023年に一般社団法人投資信託協会が実施した「投資に関するWeb調査」によると、株式や投資信託の期待するリターン金額は、現在投資している人よりも投資していない人のほうが多い傾向にあり、20代~40代は50代や60代に比べて投資リターンの期待額が多くなっています。
筆者も経験がありますが、NISA制度などを活用し、インデックスファンドの積立投資から投資をスタートした人も、数年たてば投資を始めたころに期待したよりも資産が増えず、「もっと早くお金持ちになれる」投資先を探し始め、YouTubeやSNSを参考に仮想通貨や不動産、レバレッジ型の金融商品などに投資し始めるかもしれません。
リターンの期待額が高い人ほど、このような傾向に陥りやすいのではないでしょうか。
仮想通貨や不動産、レバレッジ型の金融商品に投資をすることは、悪いことではありません。自分のリスク許容度を超えないこと、購入する金融商品の仕組みをよく理解して投資することが大切です。
特に投資初心者は、YouTubeやネット、SNSからの情報が主流となりがちですので、リターンの大きさなどの良いところだけに目を向けずに、デメリットもしっかり把握してから投資することをおすすめします。
金融庁 NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について
一般社団法人投資信託協会 2023年度「投資に関するWeb調査(投資に関する1万人アンケート)」報告書の公表について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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