11月20日(水) 6:00
「11月15日、百合子さまの薨去を受け、天皇ご一家、上皇ご夫妻、秋篠宮ご一家、常陸宮ご夫妻は5日間の服喪に入られました。翌週の11月19日に、愛子さまが初めて“鴨場接待”に臨まれることが決まっていましたが、服喪のために取りやめられることとなりました」
こう話すのは宮内庁関係者。愛子さまにとって初めての鴨場接待には、天皇陛下や雅子さまをはじめ、宮内庁内でも大きな期待が寄せられていた。
「2019年に佳子さまと眞子さんが臨まれて以降、実現すればコロナ禍を挟み5年ぶりの開催でした。11月5日に文化勲章受章者らを招いて開かれた宮中茶会では、愛子さまと佳子さまがペアで招待者をもてなされましたが、鴨場接待も同じくお二人でホスト役を務められる予定だったのです」(皇室担当記者)
鴨場接待は、1889年に有栖川宮熾仁親王らが浜離宮で外国公使たちを鴨猟と立食でもてなしたことを起源とする。現在でも、日本に駐在する各国の大使らを招き、鴨猟の体験や、鴨場で飼育されている合鴨が供される昼食会でもてなす、皇室では冬の伝統行事とされてきた。
「糞がかかる恐れもあり、長靴や帽子、コートを羽織って10人ほどのグループに分かれて鴨の捕獲を行います。また、4時間ほどの所要時間のほとんどを、各国大使と英語でコミュニケーションを取ることになるので、ご公務のなかでもハードな部類に入るといわれています」(前出・皇室担当記者)
何よりも、接待役の皇族は天皇皇后両陛下に代わり、外交団を接待する役割を担われる。
前出の宮内庁関係者は、
「皇族の中から誰がその年のホスト役を務めるのか、もちろん天皇陛下と雅子さまのご裁可を受けて決められます。皇室で大切に受け継がれてきた鴨場で接待するホスト役に、愛子さまと佳子さまが選ばれたのは、お二人に“今後は国際親善の場でも一段と貢献してほしい”と願われているからでしょう」
先日の宮中茶会では、愛子さまのオフホワイト、佳子さまの赤のセットアップの“お色合わせの連携”も話題を呼んだ。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんも、愛子さまと佳子さまがご一緒に活動されることのメリットについてこう話す。
「先日の秋の園遊会でもお見受けしましたが、愛子さまと佳子さまがほほ笑みながら語らう場面をお見せになることは、とても大切なことです。天皇家と皇嗣家の若き内親王お二人が並び立ち活動されることは、日本国民だけでなく、国際社会に対しても皇室の将来の安定性を示すことができると思います」
■若き内親王に寄せる雅子さまのご信頼
若き女性皇族として、期待を一身に受けられる愛子さまと佳子さま。雅子さまはお二人に信頼を寄せながら、被災地へ寄り添うご活動への期待も抱かれていると、前出の皇室担当記者は語る。
「雅子さまは、“佳子さんに愛子の面倒をみてもらってありがたい”と、このところ大きな信頼を寄せられ、お二人のご活動の範囲を広げていくことを望まれているようにお見受けしています。
いま、両陛下が懸案とされていることの一つは、能登半島地震や豪雨の被災地の復興状況です。来年以降にも愛子さまと佳子さまが能登半島に足を運び、復興に向けた行事などに臨むことを両陛下は期待されているようなのです。
陛下は“時代に即したご公務”を打ち出され、雅子さまとともに“令和流”の取り組みを進められています。災害の被災地へのお心寄せのあり方も、変革のタイミングに差しかかっており、その象徴に愛子さまと佳子さまを据えようという両陛下のお考えがあってのことなのかもしれません」
佳子さまは10月下旬に、総裁を務める日本工芸会のご活動のために石川県金沢市を訪問され、被災した輪島塗の職人らと懇談されている。だが愛子さまは、9月下旬に志賀町と七尾市へ復興状況ご視察のための訪問が予定されていたが、直前の豪雨によって取りやめられていた。
「愛子さまも、被災地への訪問を熱望されており、側近も『何とかしたいが……』と漏らしています。単独でのご視察だけではなく、佳子さまとご一緒での能登半島へのご訪問も実現すれば、被災地への関心を社会全体で高められるでしょう。また将来を担う若い世代にも皇室のご活動を広めていくことにもつながるのです」(前出・宮内庁関係者)
前出の小田部さんも、愛子さまと佳子さまがそろって被災地に向けたアクションを起こされることに期待を寄せている。
「愛子さまと佳子さまがそろって復興視察などを行われることは望ましいことです。そしてこれからも起こりうる災害に、皇室が積極的に被災した人々を支援するようなご活動が増えていけば、国民にとっては頼もしいことではないでしょうか」
雅子さまからの“密かな使命”を帯びた愛子さまと佳子さまの新しいペアが、被災地の未来を照らす光となっていくことを願ってやまない。