11月20日(水) 4:30
筆者の家庭では、10月の電気料金が1万2658円、電気使用量は457キロワットアワーでした。中部電力の「カテエネレポート」では、毎月の電気やガスなどの使用料を細かく確認できます。わが家の10月分のレポートを紹介すると、図表1の通りで、待機電力にかかっている料金は、電気料金の13%にあたる約1650円でした。
図表1
中部電力ミライズ 筆者のカテエネレポート より
待機電力とは、正しくは「待機時消費電力」といい、家電製品を使用していないときにも機器に流れている微弱な電力のことです。待機電力には次のようなものがあります。
●テレビなどの機器が、リモコンからの信号を受信するために消費する電力
●電子レンジや炊飯器などの機器が、時計表示のために消費する電力
●パソコンやプリンターなどの機器がスタンバイ状態で消費する電力
資源エネルギー庁の調査によると、一世帯あたりの待機電力量は1年間で228キロワットアワーです。一世帯あたりの年間の消費電力量は4432キロワットアワーのため、約5.1%が待機電力として消費されています。筆者の家庭ではカテエネレポートを通年で見ても、待機電力が全消費電力の12%のため、平均に比べて待機電力を多く使用しているようです。
次に、待機電力を多く消費する家電製品について見ていきましょう。資源エネルギー庁の調査によると、図表2のような結果となっています。
図表2
資源エネルギー庁 平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
待機電力を多く使用する家電製品は次の通りでした。
1.ガス温水器(19%)
2.テレビ(10%)
3.冷暖房兼用エアコン(8%)
4.電話機(8%)
5.BD・HDD・DVDレコーダー(6%)
6.温水洗浄便座(5%)
7.パソコン(4%)
8.電子レンジ・オーブンレンジ(3%)
9.パソコンネットワーク機器(3%)
10.インターホンセット(2%)
さらに詳しく見ていくと、モデムやルーターなどのネットワーク機器、ガス給湯機器、ビデオ等内蔵テレビ、ヒートポンプ式給湯器はいずれも5ワットアワーを超える待機電力の消費となっています。
続いて、使用していない家電製品の待機電力を少なくするコツを3つ紹介します。
●使用していない家電製品は主電源を切る
●こまめに電源プラグを抜く
●電源タップを活用する
テレビなどはリモコンで電源をオン・オフしている人が多いと思いますが、主電源を切ることで待機電力を抑えられます。また、電源プラグを抜いても問題ない家電製品についてはこまめに抜くのがおすすめです。
給湯器やガス温水器、パソコンネットワーク機器などは使用していないときでも主電源を切れませんが、電子レンジやサーキュレーター、ヒーターなどは使用の都度プラグを抜くようにすると効果的です。
また、毎回電源プラグの抜き差しをしなくても、電源タップを使用すればスイッチ1つで通電を遮れます。簡単に待機電力を節約できるので、導入してみるのも良いでしょう。
資源エネルギー庁の調査によると、このようなこまめな待機電力の削減を徹底して実施することで、年間228キロワットアワーの待機電力が116キロワットアワーとなり、49%もの削減効果が期待できる、とされています。
たかが待機電力と考える人もいるかもしれませんが、年間の待機電力は全世帯の平均で228キロワットアワーにもなります。待機電力は、リモコンからの信号を受信するためや、すぐに家電製品を起動するためにスタンバイする電力などとして使われています。
最近では家庭の中にある家電製品の種類や数が増えているため、待機電力も増加する傾向にあるといえます。家電製品を使っていないときは、主電源から切ったり、電源プラグを抜いたり、電源タップを活用したりと徹底した節電を行うことで待機電力を約半分に減らすことが期待できます。
筆者の家庭では調査の平均よりも多く待機電力を消費していることが分かったので、待機電力の削減にぜひ取り組んでみたいと思います。
中部電力ミライズ カテエネ
資源エネルギー庁 平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
執筆者:古澤綾
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