11月19日(火) 2:20
年金手帳には、主に茶色、オレンジ色、青色の3種類があります。この色の違いは発行された時期によるもので、年金制度の改定に伴って手帳のデザインや色も変わってきました。
●茶色の年金手帳:1960年10月から1974年10月までに発行されたものです。
●オレンジ色の年金手帳:1974年11月から1996年12月までに発行されたものです。
●青色の年金手帳:1997年1月以降に発行され、現在も使用されています。
デザイン変更によって手帳の役割や中身も見直されており、現在は加入者に統一した青色の手帳が配布されています。そのため、年金手帳の色の違いは主に「発行年」と「デザイン」によるものですが、青色以外の年金手帳は基礎年金番号などに不備がある可能性があるため、確認が必要です。
2冊の年金手帳が手元にある理由として考えられるのは、「過去の年金手帳がそのまま保管されていること」です。オレンジ色の年金手帳が発行されていた時期に加入した後、制度改定で青色の年金手帳が発行され、両方が自宅に残っているケースが一般的です。
また、年金手帳の紛失や再発行があった場合も複数冊が存在することがありますが、これは年金の加入記録が分散されているわけではありません。ただし、令和4年4月1日以降は年金手帳の新規発行や再交付は行われず、代わりに基礎年金番号通知書が発行されるようになりました。
なお、複数の年金手帳をお持ちの場合、最新の手帳に記載されている基礎年金番号が正しいものとなります。古い手帳に記載されている年金番号や基礎年金番号が最新のものと異なる場合がありますので、最新の情報を確認することが重要です。
複数の年金手帳を持っていても、それによって年金が多く受け取れるわけではありません。年金の受給額は、加入期間や納付実績に基づいて計算されます。年金の支給額に関係するのは加入記録の内容であり、手帳の色や冊数とは無関係です。
たとえば、20歳から60歳までの国民年金保険料をしっかり納めた場合や、厚生年金保険に一定期間加入していた場合、これらの情報が基に年金額が計算されます。そのため、手帳が2冊あることを心配する必要はありませんし、受給額が増えることもありません。大切なのは、どの年金制度にどれだけ加入していたかという記録です。
年金手帳は、今後の年金受給に必要な記録の証明になるため、大切に保管しておきましょう。複数の年金手帳がある場合は、最新の青色の年金手帳を中心に保管し、古い茶色やオレンジ色の手帳も念のため保管しておくと安心です。
ただし、最新の手帳に記載されている基礎年金番号が正しいものとなります。年金に関する疑問があれば、日本年金機構や年金事務所で確認することをおすすめします。
日本年金機構 基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
日本年金機構 Q年金手帳が複数冊あります。どうすればいいですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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