精神科医が解き明かす源氏物語こころの言葉に着目した新しい視点の手引書

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精神科医が解き明かす源氏物語こころの言葉に着目した新しい視点の手引書

11月19日(火) 11:30

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一般的に文学作品として読み込む源氏物語を、特定分野の専門家の視点で読むと、また違った側面が見えてくるかもしれない。精神科医で小説家の帚木蓬生氏が、50年読み込んだ源氏物語の「こころの言葉」を解き明かした『 源氏物語のこころ 』(朝日新聞出版、税込み1870円)が発売されている。

源氏物語を底支えしている300以上もの「こころの言葉」から、紫式部の、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力である「ネガティブ・ケイパビリティ」に注目。その創作視点に迫った一冊だ。全54帖を通して繰り返される別離と死別の様相。主な25人の女君たちの生き方、人生観の違いを「心表現」でどのように描きわけたのか。さらに藤壺宮をめぐる光源氏と桐壺帝のように、恋に挑む7つの「三角関係」に複雑な心の道筋を追っている。

また本居宣長、小林秀雄の源氏物語への洞察をもとに、短編『源氏の君の最後の恋』を書いたユルスナールにつなげる独自な文学地図を示し、微細で多様な心の言葉から大作に向かう道筋を解きあかしている。新しい視点で読める源氏物語の手引書だ。

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