11月19日(火) 9:00
2023年4月に首都圏の私立大学および短期大学に入学した新入生の家計負担について東京私大教連が調査したところによると、「毎月の家賃」の推移は表1の通りです。
表1
1986年度 | 3万4700円 |
1990年度 | 4万8300円 |
1995年度 | 5万5300円 |
2000年度 | 5万9600円 |
2005年度 | 5万8700円 |
2010年度 | 6万1100円 |
2015年度 | 6万1200円 |
2020年度 | 6万4200円 |
2023年度 | 6万9700円 |
※東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査2023年度」を基に筆者作成
1986年度の家賃と比べ2023年度の家賃はほぼ倍になっており、首都圏の私立大学および短期大学に入学した新入生の家計負担において、「毎月の家賃」は増加傾向にあることが分かります。
このことから、首都圏の住宅市場における家賃の上昇が新入生の家計に大きな負担を与えている可能性があることが読み取れるでしょう。また、10万円の家賃は高いといえる可能性があるでしょう。
日本学生支援機構が実施した令和4年度の学生生活調査によると、学生生活費のうち、家庭からの給付が占める割合は55.8%、奨学金が占める割合は20.7%、アルバイトの割合は19.1%となっています。
このことから家庭からの給付が学生生活費の半分以上を占めており、学生の生活は主に家庭の支援に頼っていることが分かるでしょう。また、奨学金とアルバイトも重要な資金源となっており、家庭の支援を補う形で学生の生活を支えていることが分かります。
株式会社モデル百貨が行った調査によると、大学生への仕送り額の平均は月10万8350円で、その内訳は生活費が5万6310円、家賃が5万2040円となっています。仮に、この仕送りを4年間続けると、総額は約520万円に達します。
東京私大教連の調査では私立大学の新入生への仕送り額は、5月には10万円、6月以降は月平均8万9300円に減少しています。6月以降、家賃を除いた生活費は1万9600円となり、生活費に充てられる金額水準が減少していることを示しています。
見方を変えると、仕送り額で家賃を賄う=親が負担している家庭が多いことが分かります。しかし、家賃を除いた2万円弱の生活費では、昨今の物価高から十分とは言い難いかもしれません。
いくつかの大学では、学生の家賃負担をサポートするための補助制度が設けられているようです。
例えば、東京大学では、教養学部前期課程の女子学生を対象に、家賃の一部が補助されます。浦和大学では遠隔地からの入学者を対象に、在学期間中、月額2万5000円を12ヶ月にわたって最長4年間補助しており、支給は年に2回行われます。
また、2025年度以降、一橋大学では指定された民間物件に住む学生に対して、月額最大3万円(年間最大36万円)、入学から最長2年間で総額最大72万円までの家賃補助を実施します。
各大学の家賃補助を利用するには、基準を満たさなければならない可能性があるため、進学先の大学でこうした制度があるか事前に確認してみるとよいでしょう。
1986年度の家賃と比べ2023年度の家賃はほぼ倍になっており、首都圏の私立大学および短期大学に入学した新入生の家計負担において、「毎月の家賃」は増加傾向にあることが分かります。
このことから、首都圏の住宅市場における家賃の上昇が新入生の家計に大きな負担を与えている可能性があることが読み取れるでしょう。
学生生活を送る上で、家賃負担は重要な問題ですが、学校によっては学生の家賃負担をサポートするための補助制度が設けられていることがあるようです。
こうした家賃補助を利用するには、基準を満たさなければならない可能性があるため、進学先の大学でこうした制度があるか事前に確認してみるとよいでしょう。
東京私大教連私立大学新入生の家計負担調査2023年度
独立行政法人日本学生支援機構令和4年度学生生活調査結果
株式会社モデル百貨大学生への仕送り額に関するアンケート調査(PR TIMES)
東京大学女子学生向けの住まい支援
浦和大学新しい家賃補助制度ができました!
一橋大学 住まい支援制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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