長年にわたって愛されて続ける医療ドラマの金字塔を映画化する『劇場版ドクターX』(12月6日公開)の完成披露舞台挨拶が11月19日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、米倉涼子、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、岸部一徳、染谷将太、西畑大吾、遠藤憲一、中園ミホ(脚本)、田村直己監督が出席した。
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本作は、孤高のフリーランス外科医、大門未知子の活躍を描いた医療ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の劇場版。ドラマ放送開始から12年を経てついに迎えた劇場版で明かされるのは、米倉演じる“絶対に失敗しない”外科医、未知子誕生の秘密。さらにこれまでのドラマシリーズで幾多の危機を乗り越えてきた未知子が、史上最悪の危機に挑む。この日の舞台挨拶の応募総数は1万3千通に及び、シリーズの人気の高さがうかがえた。観客に用意されたスティックバルーンが大きく鳴り響くなか、登壇者陣はステージに上がった。
遠くまで会場を見渡した米倉は、「いよいよ完成披露試写会。前回の完成報告会には西田さんもいたけれど」と10月17日に亡くなった蛭間重勝役の西田敏行さんに触れながら、「今日はこうやって久しぶりに皆さんに会って、うれしい思いでいっぱいです」と笑顔。城之内博美役の内田は「『城之内博美役の…』とあと何回言えるのかなと考えていました。あと片手で数えられるほどしか言えないんだなとだんだん実感が湧いていきています」と寂しさを打ち明けつつ、「こうやってファミリーの皆さんと登壇できて本当に幸せですし、12年間応援してくださっている皆様、一人一人のお顔が見られて幸せです」とファンとの対面にも喜びをにじませていた。
いよいよファイナルのお披露目の日が近づいてきたが、「いよいよ、本当に最後になっちゃうのかな」と切りだした米倉は、撮影当時に振り返り「体調もまだ万全ではなかった」と告白。「だからこそ余計に、その場その場、一つ一つを未知子として噛み締めながら撮影をしていました。それが形になってお披露目をできる時が来た。いよいよやっと、『私、ファイナルっていっちゃっている』という感覚が押し寄せてきている」と実感を込めた。
「12年前からたまに帰ってくる森本」と役柄を紹介した森本光役の田中は、「そこから自分も年齢を重ねて、40歳になって。ほかの現場に行くと、後輩もいっぱいいるようになって、スタッフさんにも年下がいっぱいいるというなかで、これだけすばらしい先輩たちのなかで若手感覚でいられる現場は『ドクターX』だけ。こういうステキな先輩が、この人数集まることはない」と吐露しつつ、舞台裏でも賑やかに会話を繰り広げる先輩たちを見て「こういう愛すべき先輩がいる現場がなくなってしまうのは、寂しい」とこぼしていた。すると内田は「みんなが集まると家族のよう」と同調。
神原晶役の岸部も「正直に言うと、半分は寂しい。半分はここからみんな前に進んでいくんだと、すごくいいタイミングだったなと思います。12年間、ただ続いただけではなく、信頼や絆が重なって育った」と特別な関係性を築くことができたとしみじみと語る。大間正子役の今田も「大門先生にメスとかモノポーラとかをお渡しするのは最後なのかなとか、寂しいなと思いながら大事に撮影させていただいた」と回想し、「今日、皆さんと久しぶりにお会いすると、本当に和気あいあいと賑やかな現場。改めて大好きだなと噛み締めていた」と強い愛情を示していた。
加地秀樹役の勝村、原守役の鈴木、海老名敬役の遠藤もそれぞれが賑やかすぎる現場への愛着をあふれさせていたが、劇場版キャストとなる東村練役の西畑は、キャスト陣が本番直前まで「しゃべっている」と楽しそうに証言。本シリーズに参加が決まった時には「めちゃめちゃ驚いた」そうで、「父が『ドクターX』をずっと観ていて、『ドクターXに出るねん』と話した時にめちゃめちゃ喜んでくれて。親孝行できた」と感激しきり。「家族感がある場所に飛び込むのは緊張するんですが、皆さんが気さくにやさしくお話してくださった。『なんて呼ばれるの?』と聞いてくださって『大ちゃんと呼ばれています』と言ったら、米倉さんと内田さんが『大ちゃん』と言ってくださった。その『大ちゃん』は人生で一番うれしかった『大ちゃん』でした」と大きな笑顔を見せ、「胸がドキドキしすぎて、オペのシーンでマスクをしていてよかったなと思いました」と胸の内を打ち明けた。
米倉は、「大ちゃんとやり取りするシーンでは、目が透き通りすぎていてぶっ倒れそうになりました」とにっこり。神津比呂人・多可人役の二役として初参戦した染谷についても、米倉は「存在感がすごすぎて、こちらはこちらでまたぶっ倒れそうになった」とそれぞれがすばらしい存在感を発揮してくれたと称えた。染谷は本シリーズの世界に足を踏み入れ、「緊張してドキドキでした。初日に米倉さんにお会いした時は、『あ、大門先生が目の前にいる』となってしまった。大家族の皆さんが迎え入れてくれて、自分を宿敵にしてくださった。充実した時間を過ごさせていただいた」とレギュラーキャストのおかげで、未知子の最大の敵という役柄を演じ切ることができたという。
終始、本シリーズへの愛をにじませながら、楽しそうにトークを繰り広げていた登壇者陣。最後に米倉は「私たちが12年間積み上げてきた想いを、最後の『劇場版ドクターX』に詰め込みました。綾野剛くんも出てくれています。新しいキャストの方も参加してくださってます。想いのこもった、そして想いがこみ上げるような映画に出来上がってると思いますので、どうぞ楽しんでいってください」と呼びかけ、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝
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