11月19日(火) 3:00
コンビニなどの商業施設の駐車場に「無断駐車は罰金1万円」などという看板が掲示されていることがあります。この「罰金」という表現が、そもそも法的に正当かどうかがまず問題です。
実際のところ、私有地における駐車違反に対して罰金を徴収することは法律で認められていません。罰金は刑法や道路交通法など、法律に違反した人に科される刑罰です。駐車場側が「罰金」という言葉を使うのは、無断駐車をさせないための抑止力としての意味合いがあるのかもしれません。
駐車場の管理者が、無断駐車した人に対して請求できるのは損害賠償です。ただし、金額を店舗側が自由に決められるわけではありません。あくまでも損害賠償なので、実際に生じる損失額に基づいて算定します。
とはいえ、駐車場のスペース1つが埋まっていたことによる損害額を算定することは難しいので、実際には周辺の平均的な駐車料金が基準となることが一般的です。
したがって、駐車場の管理者が数時間の無断駐車に対して「罰金」を徴収することも、金額を1万円とすることも、法的には適切とはいえません。
コンビニの駐車場は、本来その店舗を利用するためのものであり、買い物以外の目的で駐車すること自体が不適切です。
最近でも、人気ラーメン店の客がコンビニに車を駐車するため、コンビニ側が非常に困っているということが話題になっています。行列ができるほどの人気ラーメン店であれば、駐車時間も長く、ラーメン屋の客がコンビニの駐車場の全スペースを埋めてしまう状況もあるでしょう。
「このお店はいつも駐車場がいっぱいで車を止められない」という印象を持たれてしまうことは、コンビニの経営に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
学校前や税務署近くのコンビニでも、同様の悩みを抱えている店があるようです。
また、「缶コーヒー1本買ったらコンビニの客なのだから、数時間駐車してもいいよね?」と主張する人もいるようですが、それは違います。商業施設、特にコンビニにおいては「客単価」と「客数」を増やすことが重要で、コーヒー1本という低単価な客が駐車場のスペースを長時間減らすことは迷惑にしかなりません。
あくまでも商業施設への駐車は、買い物目的のみに使う必要があるのです。
法的なルールでいうと、看板に「罰金◯万円」と書いてあったとしても、これは無効です。損害賠償として実際に生じた損失に対応する金額の請求はできますが、算定は難しく、一般的には周囲のパーキングと同程度の金額になるとされています。
だからといって、コンビニに買い物以外の目的で駐車することが許されるわけではありません。駐車スペースが埋まり、客が減ることはコンビニの経営に打撃を与えます。
コンビニの駐車場に車を駐車する際は、その駐車場のルールをしっかり確認し、ほかの利用者や店舗に迷惑がかからないように心がけましょう。
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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