11月19日(火) 4:50
定年後に「年金20万円での生活はギリギリだ」と考える家庭もあるようです。総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における消費支出は25万959円で、内訳は以下の通りです。
●食料:7万2930円
●住居:1万6827円
●光熱・水道:2万2422円
●家具・家事用品:1万477円
●被服および履物:5159円
●保健医療:1万6879円
●交通・通信:3万729円
●教育:5円
●教養娯楽:2万4690円
●諸雑費:1万9835円
●交際費:2万4230円
●仕送り金:969円
年金20万円で生活する夫婦の場合は、一般的な消費支出と比較すると5万959円の赤字になることが分かります。ただし、各家庭で消費支出の内訳は異なる点に注意が必要です。
定年後は自由な時間ができるため、友人と出掛けるなどで交際費や娯楽費も増えることが考えられます。しかし年金だけで暮らしている家庭の場合は、交際費や娯楽費が家計を圧迫して、赤字が増えてしまう点に注意が必要です。
同調査によると、教養娯楽費は2万4690円、交際費は2万4230円で、合計したとしても4万8920円です。夫が毎日のように出掛けることで出費が月5万円増えたとすれば、そのほかの教養娯楽および交際費の金額にもよりますが、平均よりも大幅に多いことが考えられます。
年金20万円で生活がギリギリ、それに加えて夫が毎日のように友人と出掛けて出費が増える場合は、パートに出て不足分を賄う方法も検討できます。
平均的な消費支出は25万959円ですから、さらに5万円の出費が増えたとすれば毎月の生活費は30万959円です。年金収入が20万円の場合は、毎月パートで10万円ほど稼いで不足分を補えます。
自分だけがパートに出て10万円の収入を得ることは難しい場合もあるでしょう。その場合は、夫にもアルバイトなどをしてもらうことで増えた出費分である5万円ほどの収入が得られないか相談できるかもしれません。
労働による収入を得ることが難しい場合は、友人と出掛ける頻度をおさえて、出費をコントロールすることも提案できます。
定年後に夫婦でかかる一般的な生活費は25万959円です。年金20万円では5万959円の不足が生じていて、これに交際費が5万円増えると、不足額は10万円を超えてしまいます。
なお、一般的な交際費は2万4230円で、教養娯楽にかかる出費も2万4690円です。夫が毎日のように友人と出掛けて5万円の出費が生じているとすれば、平均よりも多いことが分かります。
実際の家計収支は各家庭で異なりますが、不足額が多い場合はパートに出て収入を得ることを検討できます。夫にもアルバイトなどで収入を得たり、出掛ける頻度を減らして出費をコントロールしたりできないか相談するのもいいでしょう。
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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