11月18日(月) 4:00
近年、ディーゼル車は環境に悪影響を与えるというイメージが変わりつつあります。かつてディーゼル車は、粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)などを多く排出するため、環境負荷が大きいとされてきました。しかし、技術の進化により、クリーンな排気性能を備えたディーゼルエンジンが次々と登場しています。
日本では、クリーンディーゼル搭載車の普及に向けた政府の支援も行われており、エコカー減税の対象として補助金が交付されるなど、ディーゼルエンジンの環境性能向上に貢献しています。
また、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べてエネルギー効率が高く、同じ距離を走行する場合に少ない燃料で済むため、結果的にCO2の排出量を抑えることが可能です。
さらに、軽油は精製工程がガソリンよりもシンプルで、製造時に排出されるCO2が少ない点がメリットです。ディーゼル車は運転中の排出ガスだけでなく、燃料製造の工程においても環境への負荷を抑えられます。このような背景から、ディーゼル車は持続可能な交通手段の一つとして注目を集めています。
ガソリン車とディーゼル車では、毎月100 km走行した場合の燃料費にわずかながら差が生じます。ここでは、ガソリン車とディーゼル車の燃費をそれぞれ15.0km/Lと仮定してガソリン代を計算します。資源エネルギー庁が公表している石油製品価格調査の結果によると、2024/10/30時点でのレギュラーガソリンは174.8円/L、軽油は154.5円/Lです。
毎月100km走行すると、ガソリン車では1165円、ディーゼル車では1030円の燃料費がかかり、毎月135円の差が出る計算です。
ガソリン車
174.8円×100km÷15.0km/L=1165円
ディーゼル車
154.5円×100km÷15.0km/L=1030円
ディーゼル車のほうが、経済的な面でわずかにお得になることが分かります。
ディーゼル車の維持費のなかでも特に魅力的なのは、燃料費の安さです。ディーゼル車は軽油を使用するため、ガソリンに比べて1Lあたり10〜30円ほどお得になります。また、より燃費のよいモデルを選べば長距離走行時に燃料費のメリットを大きく感じられるでしょう。
さらに、ディーゼル車は環境性能も向上しているため、エコカー減税の対象となるケースが多く、減税や一部の車両で免税措置が適用される場合もあります。そのため、税金面での負担も軽減されます。長期的に経済的なメリットを感じられる点が、ディーゼル車の魅力です。
ディーゼル車は燃料費の面ではガソリン車よりも経済的ですが、一方で整備費用がかさむ傾向があります。特に、ディーゼルエンジンは特有の構造を持っており、定期的なメンテナンスが欠かせません。例えば、エンジンオイルを頻繁に交換する必要があったり、定期的な水抜きが必要になったりします。
また、ディーゼル車を整備できる工場は限られており、専門的な知識が必要な修理の場合は、専門工場やディーラーに依頼しなければなりません。万が一の故障や事故の際には、高額な修理費が発生する可能性があるでしょう。
ディーゼル車は、燃料費の安さと高いエネルギー効率によって、経済的なメリットが期待できます。また、最新のディーゼル技術により排出ガスが抑えられているため、環境負荷を軽減しながら走行コストを抑えることが可能です。ただし、定期的な整備や高額な修理費が発生するリスクもあることに注意してください。
経済産業省 資源エネルギー庁石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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