【画像】まだ幼さの残る大学生のヒョンス(キム・スヒョン)
大ヒットドラマ「涙の女王」(2024年)でキム・ジウォンとともに主演を務め、韓国ドラマ界で今最もホットな俳優キム・スヒョン。その彼がすさまじい演技力を披露し反響を巻き起こした2021年のドラマ「ある日~真実のベール」が、11月25日(月)から「女性チャンネル♪LaLa TV」に登場する。キム・スヒョンと実力派俳優チャ・スンウォン、キム・ソンギュらの緊張感あるケミストリーから目が離せない本作に注目する。(以下、ネタバレがあります)
■ある日突然、悲劇が…「ある日~真実のベール」あらすじ
ドラマ「ある日~真実のベール」は、平凡な大学生がある日突然殺人の容疑者になってしまったことから始まる緊迫感あふれるクライムサスペンス。イギリスBBCで放送された冤罪事件がテーマのドラマ「Criminal Justice(クリミナル・ジャスティス)」を原作に、細部を韓国社会に合わせて新たな解釈で描く。
ごく普通の大学生ヒョンス(キム・スヒョン)はある夜、偶然出会った女性グクファ(ファン・セオン)と意気投合し、酔って一夜を共に過ごす。だが、ヒョンスが目を覚ますとグクファは刺殺されていて、ヒョンスは殺人事件の容疑者になってしまう。
絶望するヒョンスを見かけた町弁護士シン・ジュンハン(チャ・スンウォン)は、殺人犯に見えない彼を放っておくことができず弁護に乗り出すが、なかなか事件解決の糸口は見つからない。一方、拘置所ではヒョンスがパク・ドゥシク(ヤン・ギョンウォン)ら他の収容者に目をつけられリンチを受けていた。そんなヒョンスに、収容者ト・ジテ(キム・ソンギュ)だけがなぜか親身に接し、塀の中での“生き残り方”を教え始める。
■「涙の女王」で大反響のキム・スヒョンが主人公を熱演
全8話と、韓国ドラマのシリーズとしてはコンパクトにまとめられた本作。その分展開がスピーディで、ヒョンスを中心とした拘置所での人間関係、ジュンハンを中心としたヒョンスの弁護と真犯人探し、さらには突然“殺人犯の家族”となってしまったヒョンスの両親と妹――と、いくつかのストーリーが並行して進んでいく。
中でも強烈な存在感を放つのは、キム・スヒョン演じる大学生ヒョンスだ。
キム・スヒョンと言えば、大反響を巻き起こした「涙の女王」が記憶に新しい。2011年のドラマ「ドリームハイ」で天才的な音楽の才能を持った田舎の高校生役を演じ、その演技力と歌唱力で一躍注目を集めた彼は、その後も「太陽を抱く月」(2012年)や「星から来たあなた」(2013年)といった人気作に次々と出演し、“新・韓流四天王”の一角を担う存在として期待を集めてきた。「涙の女王」では“スーパーマーケットの王子”ことペク・ヒョヌを好演。キム・ジウォン演じる“百貨店の女王”ホン・へインとの“ペクホンカップル”が視聴者を引きつけ、ドラマはシンドローム級の大ヒット。キム・スヒョンは「第60回百想芸術大賞」でPRIZM人気賞を受賞した。
「ある日~真実のベール」の最大の見どころは、そんな彼の圧巻の演技力。事件前は頼りなげで、自立心に欠ける子供っぽい大学生だったヒョンスが一夜にして奈落の底に突き落とされ、不安と恐怖に襲われる。どこか他人事ではないような、誰もが巻き込まれる可能性のある事件だと感じさせるようなリアリティが、そこにはある。刑事の前で「やっていません」と泣くときの絶望の感情も真に迫っていて、緊迫感を急激に高めていく。
ジョンハンという味方を得たことで少しずつ落ち着きを取り戻すヒョンスだが、拘置所で壮絶なリンチに遭い、家族の想像を絶する現状を知って再び絶望の淵へ。そんな中、ジテに「重要なのは、ここでどう生き残るかだ」と教えられ、戦い方を叩き込まれて、ヒョンスは別人のように、隙のない冷たい目をした男に変わっていく。セリフは少なく、かわりに豊かな表情でその変化を体現するキム・スヒョンの一挙手一投足から目が離せなくなる。
■チャ・スンウォン、キム・ソンギュが演じる2人の“キーパーソン”
共演陣にも、実力派俳優がそろった。ヒョンスを救うために奮闘する弁護士シン・ジュンハンを演じるのは、「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」(2011年)や「私たちのブルース」(2022年)のチャ・スンウォン。キム・ソンホ主演のドラマ「暴君」(2024年)では、残忍な性格と丁寧な口調がアンバランスな殺し屋イム・サン役で強烈な印象を残したばかり。ドラマで見せる強烈なキャラクターとは対照的に、農村で自給自足生活に挑戦するバラエティシリーズ「三食ごはん」では気さくで親しみやすい素顔も見せるベテラン俳優だ。
冷酷な中にもそこはかとなく漂う愛嬌が、チャ・スンウォンの持ち味。弁護士シン・ジュンハンも、“アイドルフェイス”なヒョンスに興味を持ち、弁護に取り組んでいく。「警察は今ストーリーを作ってる。こっちもストーリーを作って、判事が気に入ったほうを選ぶ。それが裁判だ」と、独自の考え方で裁判に挑んでいくジュンハン。そんな彼とヒョンスとの間に芽生えていく絆が、この物語の希望の光ともなっていく。
拘置所でヒョンスに生きる術を叩き込むト・ジテの存在も大きい。演じているのは、大ヒットドラマ「キングダム」シリーズで“アクションのエース”的役割を果たし、一躍ブレイクした俳優キム・ソンギュだ。本作では、するどい目つきですごみのある雰囲気をまとった拘置所の絶対権力者をカリスマある佇まいで表現。心折れかけ、他の受刑者の餌食になりそうになっていたヒョンスは、ジテとのかかわりで別人のように変化を遂げていく。
このほか、「愛の不時着」(2019年)のピョ・チスや「ヴィンチェンツォ」(2021年)の質屋の主人イ・チョルウクを演じて注目を集めたヤン・ギョンウォンが、拘置所でヒョンスに暴力をふるうパク・ドゥシク役。「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズのトルダム病院院長役で知られるキム・ホンパがヒョンスを有罪にしようと躍起になる刑事パク・サンボム役、そしてジュンハンと協力してヒョンスの無罪を証明しようとするソ・スジン弁護士をイ・ソルが演じ、ドラマの緊迫感を高めている。
■配信時ドラマ人気ランキング1位の反響
「涙の女王」で今また熱い注目を浴びるキム・スヒョンの緊迫感ある演技に加え、実力派俳優陣とのケミストリーも圧巻の「ある日~真実のベール」。2021年の配信時からその反響は大きく、韓国ではポータルサイト「NAVER」のドラマ人気ランキングで1位を獲得したほか、配信したオンラインストリーミングサービス「クーパンプレイ(Coupang Play)」の新規加入者が本作配信前の250%に大幅増加したという。「クーパンプレイ」は本作配信開始の前年2020年12月にサービスを開始したばかりだったため、本作の影響力の大きさがうかがえる。
「涙の女王」の後、キム・スヒョンは10月まで4か月にわたり合計7都市でファンミーティング、2024アジアツアー「EYES ON YOU」を成功させるなど、“新韓流四天王”としてその存在感は高まるばかり。「ドリームハイ」で証明した圧巻の歌唱力も健在で、今回のツアーでも俳優のファンミーティングとは思えない15曲を披露し、集まったファンを魅了したばかりだ。2025年には次回作としてドラマ「ノックオフ」への出演も決まっており、ますますその活躍ぶりに注目が集まっている。そんなキム・スヒョンの「涙の女王」以前の代表作「ある日~真実のベール」で、彼の凄みある演技力を堪能してみては?
◆文=酒寄美智子
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