群馬県在住の20代女性・Kさんは、高校時代吹奏楽部に所属していた。
3歳下の妹も同じ高校の吹奏楽部に入り、1年目の夏ごろ。
大会のステージ上で、友達の鼻血が止まらなくなって......。
<Kさんからのお便り>
今から9年半ほど前のことです。
私は高校を卒業して就職し、3つ下の妹が私の母校に入学した年でした。
私も妹も吹奏楽部で、その日は、毎年夏頃に行われる大会のAの部(西関東大会だったと思います)に、私はOGとして家族と共に応援に、妹は初の大舞台に演奏者として来ていました。
前列の客席から投げ込まれたのは...
出番となり、演奏を開始して間もなく、妹の同級生で同じ楽器を担当していたAちゃんが、ステージ上で緊張のあまり鼻血を出し、止まらなくなってしまいました。
母校では「演奏に不要な物は音響の妨げになるから」という理由で楽器と楽譜以外は極力、本番ステージ上に持ち込まないようにしてて、当然、ティッシュもハンカチも持っていません。
そんな中、前列の客席からAちゃんに向けてポイっとタオルを投げ込んでくれた方がいました。
その方のおかげで、楽器やステージ、真っ白なジャケット衣装等々、必要以上に汚れることもなく本番を終えることができました。
Aちゃんの出血もおさまり、大事には至りませんでした。
客席は薄暗く、私たちは後方の席で見ていて、演奏中の席移動は原則禁止されていたため、タオルを投げ込んでくれた方がどなたかわかりません。
後日、何とかお礼がしたいと思い、私のTwitterアカウントを使って呼びかけましたが、フォロワー数が少ないため拡散力が低く力及ばず、お礼が言えないままとなってしまいました。
今、私は縁あってAちゃんのお母さんと同じ職場で働いるのですが、吹奏楽部の思い出話の時は「あの大会の時は......」と9年半だった今でも話題となります。その度に直接お礼できなかったことが心残りで仕方ありません。
どこのどなたかは分かりませんが、あの時は本当にありがとうございました。
咄嗟の判断だったと思いますが、吹奏楽大会独特のあの緊張感漂う中で勇気もいったと思います。
私も、私やAちゃんの家族も、また当時の部員たちも本当に心から感謝しております。
私も困っている人にはサッと手を差し伸べる人間であれるよう、これからも日々精進してまいります。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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