11月18日(月) 8:00
<大王製紙エリエールレディス最終日◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
2022年に落としたシードを取り戻した。「ホッとしているのと、地獄のオフが…」。メルセデス・ランキング(以下MR)44位で来季のフルシードを決めた柏原明日架は、すでに来季を見据えている。
シード復活が確実なMR45位で松山に乗り込んできた。「久しぶりに地元でシーズンの最後を迎えたい」。今大会の結果次第では、今季優勝者とMR上位者ら40人に限定された最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の切符を手にすることができた。しかし、結果はトータル10アンダー・22位タイ。最終戦への滑り込みはならなかった。
充実感は漂う。シードを失った22年シーズンはMR79位まで落ち込んだ。23年から森守洋コーチに師事して立て直しを図ると、23年はMR54位で前半戦出場権を獲得。そして今季はシード復活を果たした。「森さんに習い始めて準シード、シード獲得と着実といえば着実なんですけど、森さんは『もっとできる』と言ってくれます。自分もそう思えましたし、やっぱり優勝してリコーカップに出たかった。来年の課題はそれですね」とさらに高みを目指す。
森コーチとの取り組みにより「だいぶ仕上がってきている」とショットには自信を見せる。「1日で2~3回ミスするだけに収まってきています。チャンスにつく回数も今までより多くなりましたが、そのチャンスを決めきれないシーズンだった」と反省点もある。
オフシーズンを想像して、柏原の表情は曇った。「この時期になると本当にオフ(のことを考えるの)がしんどいんです。ずっと地元(宮崎)でやっているので休みもとれないし…」。シーズン中以上にゴルフと向き合う時間が増えるオフを、“地獄”と表現する。
「『オフで頑張らなきゃ』って思えなくなったら、引退かなと私は勝手に思っている。それが自分にとってのバロメーター。しんどいのを頑張ろうと思えているうちは、また来年も頑張れる」と覚悟を決めている。
“地獄”に向かう気持ちになれた一つの要因が、第3ラウンドで同組だった1学年上の鈴木愛の存在だ。「チャンスについたところは獲ってきますし、スキのないゴルフを近くで見させてもらいました」と、6つ伸ばして最終日最終組に加わった鈴木のプレーに刺激を受けた。
「(鈴木は)体力的なことだったり、いろんな心配もあるなかで、これだけ仕上げられる。まだまだ(私も)年のせいにはできない。もっと上を目指していかないといけないと思えました。このタイミングで回れたのはすごく良かった」
通算16歳の38歳・上田桃子は、今大会をもってツアーの第一線から退いた。涙腺を緩ませた柏原も来年の1月に29歳を迎える。考えることが増える年齢ではあるが、覚悟をもって“地獄のオフ”に突入する。25年は5季ぶりの優勝を果たし、完全復活の年としたい。