双子の姉妹「のり」と「みち」。妹の「のり」は、5年前に失踪。その後、消息が掴めないまま、警察の捜索も打ち切られ家族は葬儀をあげた。「のり」が一番笑顔だった写真を遺影にして――。しかし、3年前から突然「のり」の写真が送られてくるようになった。遺影と同じような笑顔の写真は、彼女がまだ生きているというメッセージなのだろうか、それとも?今回は、ようら(@nw5dB8UL5z61936)さんが描くミステリー漫画「のこりもの」を紹介するとともに、制作の経緯を聞く。
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■双子の妹「のり」の写真が送られてくる。これは、妹が「生きている」というメッセージなのか?
みちの家には、3年前から毎年1枚の写真が届く。そこには、失踪した双子の妹「のり」が笑顔で写っていた。「のり」は5年前から行方不明のまま、警察の捜索も打ち切られ、家族は仕方なく葬儀をあげた。彼女が一番幸せそうに笑っていた笑顔を遺影にして――。
それから差出人もなく、写真が送られてくるようになった。これは、「妹からの生きているというメッセージかもしれない」と、母親は警察に再捜査を依頼する。そこに偶然立ち寄った謎の旅人“うない”がその写真を撮影すると、笑顔の下に隠された「本心」が見えてきた。
うないは言う、「嘘、秘密、隠しごと、そういった覆いを奪っただけなので、意味はわかりません」と。写真の裏の隠された「悲しみ、怒り、憎悪」する表情は一体?妹は死んだのか、今も元気で生きているのか?送られてくる写真の本当の理由とは――?
本作は「最後まで読んだ後に、1ページ目の絵を見ると切ない」「才気びんびんって感じですごくおもしろい、品のよいミステリー」などのコメントが届く。ようらさんが漫画を描き始めたきっかけは、「これというきっかけはなくて自然と描いていました。小さいころから、チラシや折り紙の裏に延々絵を描いて、そのうち自分でキャラクターを作ってストーリーを思い浮かべながら描く…ということを小学生くらいからずーっとやっていました」という。
「プロを目指していた時期もあったのですが、いろいろと苦しくなってきて、お恥ずかしながら辞めてしまいまして…。pixivやホームページなどで描くようになって、ありがたいことに読んでいただけたり反応をいただけたりして、とても楽しく描いています。なので、描きたいものを自由に描き続けることが今一番の目標です」と、ようらさん。
本作は、暗匣(あんばこ)シリーズの第一話。創作の経緯を聞くと「双子の話が描きたいなぁと思ったのが始まりだった」とか。「双子といえば、王道は『すり替わり』だと思うのですが、そこを捻った展開のものを作りたいと考えまして。写真と遺影がイコールになることを思いついてから、『遺影・双子』のテーマで話を構築していきました」
特にようらさんは「謎めいたものが大好き」なようで、「まずは自分が知りたい、解き明かしたいと思うようなものを話に組み込んでいます」と話す。カメラが映し出した、笑顔の裏に隠された「怒り」「苦しみ」「悲しみ」。この本当の意味がわかると、すべての謎が解けるとともに、言いようのない切なさが漂う。
取材協力:ようら(@nw5dB8UL5z61936)
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