11月17日(日) 22:40
住宅ローンとして毎月8万円支払う場合、借入可能額はいくらになるのでしょうか。住宅支援機構「フラット35」の、ホームページ上で確認できるシミュレーターで試算してみました。
シミュレーションしたのは、借入期間35年で金利1.5%もしくは金利2.0%で借りた場合、借入期間50年で金利1.5%もしくは金利2.0%で借りた場合の全4パターンです(いずれも元利均等返済)。
シミュレーションした結果、借入可能額は以下のようになりました。
・借入期間35年で金利1.5%の場合は2612万円、金利2.0%の場合は2415万円
・借入期間50年で金利1.5%の場合は3375万円、金利2.0%の場合は3032万円
シミュレーションから分かることは、金利が低く借入期間が長くなるほど、借入可能額は増えることが分かります。反対に金利が高くなれば、借入可能額は少なくなります。
できるだけ多く借りたいなら、中長期的な金利見通しを考慮して、できるだけ金利が上昇する前に申し込むと多めに借りることができるかもしれません。
住宅ローンを検討中の人のなかには、カードローンの残債がある人もいるのではないでしょうか?
カードローンはいつでも好きなときに借りられるという特性があるため、返済額が残っている、完済していても日が浅い場合などには、住宅ローンの審査に影響を与えることが少なくありません。
そのほかに、クレジットカードのリボ払いを利用している場合も要注意です。リボ払いは借入金という位置付けになるため、住宅ローンの審査に影響を与えます。
いずれのケースも、本来であれば借りられるであろう金額から、カードローンなら借入枠分を、リボ払いなら残高を住宅ローンの融資額から減らして融資されるのが一般的です。
基本的に、カードローンやクレジットカードのリボ払いの金利よりも、住宅ローンの金利のほうが低く設定されています。
低金利の住宅ローンをできるだけ多く借りたいなら、住宅ローンを申し込む前に、カードローンは完済し解約する、借り入れがない場合でも解約することをお勧めします。クレジットカードのリボ払いも、カードローンの借り入れと同様に完済しておくとよいでしょう。
よくあるケースとしては、夫が家族に内緒でカードローンを借りていて、本来、借りられるであろう金額まで借りられずに減額されてしまい、もめてしまうという話を耳にすることが少なくありません。
家族に話すことはもちろん、不動産会社の担当者にも、どのような借り入れがあるのかを事前に説明しておくことも大切です。
現在の家賃と同じなら、住宅ローンの返済に回せば問題はないと考えるでしょう。
しかしながら、ライフスタイルや家族構成や収入は、時間の経過とともに変わってきます。そのため、当初は問題なく返済できる金額であったとしても、途中から返済が厳しくなってしまうことが考えられます。
賃貸であれば、安い家賃の家に住み替えることもできますが、住宅を購入した場合には住んでいる物件を売却し、安い家へ引っ越しすることになり、賃貸の住み替えほど簡単ではないでしょう。
そもそも、借りられるお金と返せるお金は同じ額ではありません。ご自身のライフプランとそれに伴って発生する、資金需要に対応できるかを十分検証していきましょう。
たとえ家賃と同額であっても、さまざまな支出を考慮しながら、この先、無理なく返済できるのかを見極めて借りるということが大切です。そうすることで、スムーズに完済できるようになるのではないでしょうか。
住宅支援機構 フラット35 新規借入れを検討の方
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
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