11月18日(月) 8:24
<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン最終日◇17日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
CMEランク(ポイントランク、以下CME)62位で臨み、同60位以内の選手が手にする最終戦出場権を目指した渋野日向子だったが、そこには届かなかった。
前日に「65」をたたき出し急上昇した順位も、最終日は2バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「74」と4つ落とし、トータル1アンダー・34位タイまで退くことに。この結果、CME64位に終わってしまったが、「残念! 本当にもったいない一日だったなと思いますけど、来年に向けて課題が見つけられたかなと思います」とその表情は清々しい。
前日まで手ごたえを感じていたショットも、フェアウェイキープ率は85.7%(12/14)、パーオン率66.6%(12/18)と決して悪い数値ではない。ただ、「前半の方は縦距離の問題、クラブミスかなというのも多かった。後半はだんだんリズムも早くなってきた感じがあった。そこはもったいない」と振り返る。
「去年の今頃は振れてなかった」。ここで幕を閉じることになった2024年シーズンを思い返すと、まずは苦しい記憶がこみ上げてくる。2月の「ホンダLPGAタイランド」から始まり、その後は4試合連続で予選落ちを喫したシーズン序盤。ようやく4日間プレーできたのは、4月のメジャー「シェブロン選手権」だった。この時には「やっと今年のスタートラインに立てました」と安堵の声ももれたほど。その後は5月の「全米女子オープン」2位、6月の「KPMG全米女子プロ選手権」7位とメジャーでの活躍もあった。2季ぶりのシード復帰を早い段階で確実なものにもしたが、中盤戦以降、再び苦しい試合も続いた。
そんな一年については、「うん、その結果(全米女子)だけだったかなとは思いますし、一年通して安定した結果が出ていない。今年もすごくもったいない年だったなって。毎年毎年、思うんですけど、今年もまた思ってしまった。まあね、しゃあないですね」と話す。ただ、1年前に「振れてなかった」クラブは、今では「すごい振れている感じがあった」ということも実感できる。「その分やっぱりもったいなく感じる内容だった。ちゃんと一個一個見れば、去年よりはいいかなって思うけど、結果的に見たら、シード取れましたぐらいなので」というのが“総括”だ。
2022年から本格参戦した米ツアーも、来年で4年目に突入。「英語力は全然ね、“ずーん”なんですけど」とおどけるが、「声をかけてくれる人も年々多くなったかなと思う」と、その一員になっている感覚は強まるばかり。「TOTOジャパンクラシック」で帰国した際には、リディア・コ(ニュージーランド)が選手、関係者らを集め“主催”したお寿司会にも声をかけられ参加。30人ほどが集まる席で、「呼んでもらって、すごいうれしくて」という感激の時間を過ごした。
そして、ここからはさらなる活躍に向けオフに突入する。辻村明志コーチと模索する“理想のドローボール”も「まだまだ。忘れるし、いい動きを思い出せなくなる」と道半ば。ただ、ここからは「少しずつ(やることを)減らしていこうかなと。何が理想かが、まだ明確に決まっていないから、この結果になった。しっかり自分の中で決めたい」。まずは「体をちょっと鍛えないと。しっかり基礎体力をつけて」という部分から始めていく。
来年の目標については、「言える状態ではないぐらい自信はないけど…でもやっぱり勝ちたい。やっぱり1回はね、勝ちたいので、その準備を頑張りたい」と話す。来年さらに日本人選手も増えそうなことについても、「切磋琢磨してみんなで頑張ればいい」と歓迎する。今季最終戦になってしまった会場で、2025年シーズンの活躍をイメージした。