子どもの「中学受験」を考えているママ友。うちはお金に余裕がないので無理だと思うのですが、どのくらいの稼ぎがあれば可能なのでしょうか?

子どもの「中学受験」を考えているママ友。うちはお金に余裕がないので無理だと思うのですが、どのくらいの稼ぎがあれば可能なのでしょうか?

11月18日(月) 6:20

子どもの中学受験を検討するにあたって、経済面での心配をされる家庭もあるでしょう。中学受験の準備のためには、塾に通う必要性が出てくる場合もあるため、高額な費用がかかることも考えられます。 中学受験を考えている知り合いの話を聞くと「どのくらいの稼ぎがあるのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。 本記事では、中学受験にかかる費用の平均から必要な親の年収を計算するとともに、教育費を計画的に貯めておくポイントについてもご紹介します。

中学受験にかかる費用の平均は?

株式会社モデル百貨が2024年に実施した「中学受験の費用についてのアンケート調査」によると、中学受験のために通った塾代の平均は178万4000円という結果が出ています。塾に通った期間の平均は2.5年間ということです。つまり、1年あたり70万円程度の塾代がかかったと考えられます。
 
これに加えて、出願時に支払う受験料がかかります。受験校数の平均は2.6校、受験料の平均は5万7317円でした。塾代と受験料の平均を合計すると、全部で184万1317円かかる計算になります。
 
ただし、塾代については塾のタイプによっても異なるため、注意が必要です。塾には大きく分けて「集団塾」と「個別塾」があり、集団塾の総額費用平均は183万4254円、個人塾の総額費用平均は121万6346円と、集団塾の方が60万円ほど高くなっています。
 

入学後も初年度のみで100万円以上かかる場合も

受験に合格して私立中学校に通うことになった場合、入学金や授業料などは、公立中学校よりも高額な費用がかかると考えられます。
 
東京都によると、令和6年度における都内私立中学校の初年度納付金の平均は、入学金26万3232円、授業料50万3774円、施設費3万3685円、その他20万8672円の合計100万9362円ということです。授業料とその他の費用については毎年度納付する必要があるため、受験予定の中学校では3年間で最低いくらかかるのか、確認しておくことをおすすめします。
 

親の年収がどのくらいなら中学受験の費用を捻出できる?

年間約70万円の塾代がかかると想定して、受験時には受験料の5万7317円もプラスされるとすると、1年にかかる教育費は75万円以上という計算になります。1年の教育費に75万円かけることが可能な親の年収はどのくらいなのか、確認してみましょう。
 
まず、年間75万円を月換算すると6万2500円になるため、これだけの金額を教育費にかけられるかどうかがポイントになると考えられます。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、二人以上の勤労者世帯における消費支出のうち「教育費」は5.3%を占めています。月6万2500円ということは、消費支出全体で1ヶ月約117万9246円になるので、赤字にならないためには約1415万円の手取り年収が必要です。
 
ただし、このデータは二人以上世帯を対象にしており、中学受験を控える子どもがいる世帯のみを対象にした場合は教育費の占める割合が平均よりも高くなることが考えられます。その場合、家計の別項目で大幅な節約が必要になる可能性があるでしょう。
 

教育費を計画的に貯蓄しておくためのポイント

受験に合格して私立中学校に通うことになれば、授業料も公立より高い金額を支払い続けなければなりません。そのことも踏まえたうえで、なるべく早い段階から受験に向けてお金を貯めておきましょう。
 
まず、受給できるお金は確実に貯めておくことをおすすめします。例えば、児童手当は基本的に高校を卒業する年代まで受給できるため、そのすべてを貯蓄に回しておくことでかなりの金額になるはずです。あわせて、学資保険もかけておくとさらに安心でしょう。
 
また、自動積立定期預金などを利用する方法もあるため、自分にあった貯蓄方法を探してみることをおすすめします。
 

塾代がかかることを考えると年収1500万円以上必要な可能性もある

中学受験に成功して私立中学校に通うことになると、公立中学校より高い費用がかかります。しかし、まずは受験するにあたって、塾代や受験にかかる費用など早いうちから高額な費用がかかる場合もあるでしょう。そのため「うちの年収では中学受験は難しい」と諦めてしまう人もいる可能性があります。
 
今回参照したアンケート調査の結果によると、中学受験に向けての塾代と受験料をあわせると月6万円以上の費用が必要になる場合もあるようです。二人以上世帯における月々の教育費の平均を参考にすると、年収1500万円前後の家庭でなければ捻出するのは難しい可能性がありますが、早い段階から計画的に教育費を貯めておくことで、年収が少なくても捻出できることも考えられます。
 
それぞれの家庭にあった教育費の貯め方を検討してみましょう。
 

出典

株式会社モデル百貨 中学受験の費用についての調査(PR TIMES)
東京都 報道発表資料 令和6年度 東京都内私立中学校の学費の状況について
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 2 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 図I-2-8 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 -2023年-(12ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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