“180cmの女性”が語る日常生活。実家は「頭をぶつけにくい設計のオーダー住宅」妹は184センチ

音羽美桜さん

“180cmの女性”が語る日常生活。実家は「頭をぶつけにくい設計のオーダー住宅」妹は184センチ

11月17日(日) 15:54

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2024年5月から6月にかけて、X(旧:Twitter)上で「#デカ女ブーム」というワードが突如流行し、連日トレンド入りする事態になった。これまでも“界隈”で一定の人気を集めてきた高身長の女性たちだが、その日常生活とは一体どのようなものなのか?今回は都内のIT企業に務める傍ら“高身長女性モデル”として活動する音羽美桜さん(180センチ)に、当事者目線で実生活での「あるある」や、ならではの「悩み」などを語ってもらった。

職場では「10センチのヒールを履く」

――千葉県出身の音羽さんはWebエンジニアとして会社員もされているとか。

音羽美桜さん(以下、音羽):もともとは文系なんですけど、父がエンジニアでITに将来性を感じたこともあり、大学時代に理転して、いまの道に進みました。

――今日はお仕事帰りでヒールを履いてきてくださったんですね。

音羽:6センチぐらいのヒールを履いてきましたが、普段から10センチのヒールをよく履いています。一時期はやはり自分の身長がコンプレックスでしたが、今は好きなだけヒールを履いていますね。足のサイズも26.5センチあるんですけど、昔からヒールのある靴は好きです。

「196センチ」の同期と高身長コンビを組む

――職場でもけっこう目立っているのでは?

音羽:新入社員のころ、私と同期の男性と2人で同じ部署に配属されたんですが、その同期も身長196センチあり、会社で一番の高身長コンビだったので上司にはめちゃくちゃ驚かれました。新入社員として取引先へ挨拶周りするときもインパクトあったと思います。電車で移動するときも周りの視線を集めまくっていました。

――2022年からモデル活動を始めたのは、何か具体的なきっかけがあったんですか?

音羽:コロナ禍のころに卵巣嚢腫という病気をしたのがきっかけです。命に重く関わるような病気や手術ではなかったんですが、自分の死について少し考える機会があり、人生に悔いを残したくないという気持ちでモデル活動を始めました。

――やはり昔から街中でスカウトされた経験などがあったんですね。

音羽:モデルのスカウトは学生時代からよくありました。いまは登録型の事務所なのでフリーランスのようなかたちで活動しているんですが、事務所のすすめでSNSを始めてみたら想像以上にいろんな広がりができて楽しいです。

成長痛で「体の節々が痛かった」

音羽:私の場合、中学校に入学した春の段階では153センチと、あまり背は高くなかったんです。中1の夏休みに一気に身長が伸び始めて、4月から9月の間で5センチ伸びていましたね。

――夏休み明けで久々に会った同級生もびっくりしたでしょうね。

音羽:周りが縮んだのかと思いました(笑)。中1の夏休みは体の節々が痛くて、ずっと成長痛に苦しんでいましたね。中学卒業時で172センチ、高校に入ってからもゆるゆると180センチまで伸び続けました。中1の夏休み以降、女子の背の順的にはずっと一番後ろです。

――身長が伸びて学校生活はいかがでした?

音羽:男子からすれ違い様に「うわ、あいつ俺よりでかいんだけど」「ああいうの女として見れないわ」みたいなことを言われることもありましたね。体育でバスケやるとき、身長の低いバスケ部の子のシュートをペシーン、ペシーンって片っ端から弾いていたら、「あいつ身長を笠に着てんじゃねえよ」みたいな陰口を言われたこともあります(笑)。一応、手加減していたんですけど。

実家は「頭をぶつけにくい設計のオーダー住宅」

――これまで取材してきた高身長女性は、お二方とも運動が苦手とおっしゃいました。

音羽:当時は周りの女子より遅れて身体が成長していたので、私も運動が特別得意なわけではなかったです。筋肉がついた今はむしろ人より運動できるほうだと思いますが、身長が伸びている時期って筋肉がつきにくいらしく、体育は嫌いでした。短期間で身長が急に伸びたせいで身体感覚がズレて、学校の耐震補強の柱におでこを打ち付けてけっこうな怪我をしたこともあります。

――ベタに上野駅の天井が低い箇所なんかは注意ですよね。

音羽:古い賃貸物件や家だとシンクが低くて台所での作業も腰がつらいし、換気扇のフードがちょうど目線のあたりの位置にあるので、しょっちゅう頭をぶつけます。実家は一軒家で、通常より全体的に高さを出して頭をぶつけにくい設計のオーダー住宅です。

妹は184センチ、地元で “ツインタワー”と呼ばれていた

――やはりご家族も大きいんですね。

音羽:3つ下の妹は私より背が大きくて184センチあるので地元では “ツインタワー”と呼ばれていました。父が187センチ、母も170センチとなかなかのビッグカップルです。

――学校での人間関係はどうだったんですか?

音羽:高校でとくに仲良かった友達の一人が147センチくらいの学年で一番背の低い子で、ずっと一緒につるんでいたので「でこぼこコンビ」と言われていました。

――周りからいろんな呼び名をつけられますね。

音羽:ちなみに私と入れ替わりで同じ高校に入学した妹も学年で一番小さい子と親友だったらしく、私の担任だった先生に「お前たちの家には低身長の友達を連れて歩く家訓でもあるのか」と言われたらしいです(笑)。

酔っ払いに絡まれやすい

――お互いにはない魅力を求める心理でもはたらくんでしょうか……。モテという面ではどうでしたかね。

音羽:めちゃくちゃ両極端なんですが、キレイ系が好きな男性には正直ウケます。けっこう私は筋肉質なタイプなので、バスケやバドミントン、テニスといったスポーツを通じた男友達も学生のころから多いです。普通、女性が男性と試合するとフィジカル負けしちゃうけど、お互いに全力のガチ試合ができるので。パンチングマシンも男友達の中で真ん中くらいのパワーはあります。

――痴漢は遭います?

音羽:身長が伸びてからは痴漢より声かけが多いです。

――ナンパってことですか?

音羽:というよりも、「お姉ちゃん身長いくつ〜?」「え、でっかくない?」みたいな感じで酔っ払いに絡まれることがけっこうあります。

平均身長より低い男性と付き合うことが多い

――身長低い男性って実際どうですか?

音羽:身長がとくに伸びてからは平均身長より低い男性とお付き合いすることが多くて。可愛い弟的な雰囲気の異性に惹かれることがわりと多いです。

――“でこぼこコンビ理論”が恋愛関係でも機能しているという。

音羽:意識しているわけではないんですけど、自然と仲良くなるタイプはそういう男性であることが多いかもしれません。

――身体能力や性格的なものも相まって、音羽さんに親しみやすさを感じる男性は多そうです。

音羽:大学時代からの男友達の中には女性恐怖症みたいな人もいます。曰く、私は女性と話している感じがあまりしないそうです。

「バニー好き男性の多さ」を実感

――街中で視線を集めるかと思いますが、煩わしさなどは感じませんか?

音羽:逆に街中で見られないとちょっと物足りないくらいかもしれないです。妹と2人で一緒に遊びに行くこともあるんですが、お揃いコーデとかも普通にしていますね。

――確かに184センチの妹さんがいるのは大きいですよね、精神的にも。

音羽:同じ悩みを共有できる存在が身近にいるのは救われます。撮影会の衣装はほぼ自前ですが、妹とは普段の洋服の貸し借りもできるし、仲は良いです。

――先日、撮影会でのバニー姿をSNSに投稿してフォロワーを爆増させていましたが、今後のモデル活動の目標は?

音羽:バニー好き男性の多さを実感したんですが、競泳水着も近々着てみたいなと。高校まで新体操を13年間、水泳を9年間やっていたので、レオタードや水着は着慣れていて、あまり抵抗感もないです。

――それはかなり映えそうです。最後に男友達も多い音羽さんから身長にコンプレックスを持つ男性やファンに向けてメッセージいただければ。

音羽:身長が低くて嫌な思いをしてきた男性は少なくないと思うんですが、それでも背が高い女性に肯定的な男性って、身長が小さかろうと器は誰よりもデカいと私は思っています。「身長が高くてかっこいい」と応援してくれるフォロワーの方々には本当に感謝しかありません。昔の私が救われるような気持ちになりますね。

<取材・文/伊藤綾>

【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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