11月17日(日) 18:30
犬猫生活福祉財団は、群馬県前橋市と共同で、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングを、11月15日(金)~2025年2月12日(水)の期間で実施中だ。
同プロジェクトでは、犬猫の殺処分ゼロ、収容ゼロ、不適切飼育環境ゼロという「3つのゼロ」を目指している。なお、目標金額は3,000万円だ。
犬猫の殺処分の現状環境省の発表によると、2022年4月1日(金)~2023年3月31日(金)の期間の殺処分数は、犬2,434頭、猫9,472頭の計11,906頭だったそう。毎年減少傾向にあるものの、まだ1日あたり32頭もの犬猫の殺処分が行われているという。
殺処分ゼロの実現には、保護施設などに収容される犬猫の収容数を減らすことが根本的な解決策として重要だ。しかし収容数が大きく減少するまでの間、そして改善後も一定程度出てしまう収容犬猫に対して、殺処分を回避するセーフティーネットが必要となる。
また、地方では、まだ野良犬猫の繁殖の問題や保護施設の受け皿不足が顕著であったり、都市部も含めてシニアやハンデを持った犬猫の譲渡が進みにくかったり、一筋縄ではいかない課題も残っている。
犬猫生活福祉財団は、これらの問題に対し、殺処分ゼロ、収容ゼロ、不適切飼育環境ゼロという「3つのゼロ」を目指して、達成までの計画をロジックモデルとして作成し、2021年から活動している。
11月現在はその初期段階で、「3つのゼロ」それぞれについて前橋市でモデルケースを作るために活動しており、中長期的にはその成果を全国に広げていく計画だ。
犬猫生活福祉財団と前橋市の取り組み
犬猫生活福祉財団と前橋市では、野良猫の不妊去勢を担う病院が少ない地域で、犬猫の去勢・不妊手術に特化した動物病院のスペイクリニック設立と運営を実施し、収容数減に寄与していくモデル作りをしている。
2022年3月〜10月までで、1,499頭の不妊・手術の実績があり、今年度末までに累計2,000頭以上の手術頭数を目指しているという。
また、保護団体数の足りない地域で、譲渡まで長期で犬猫を保護するシェルターの成功モデルを作り、全国に展開することを目指して「犬猫タウン前橋」を運営している。
さらに、商業施設が現状の生体販売に代わって保護犬猫施設を常設。譲渡活動を推進する新しいシェルターの形として、ホームセンター「ジョイホンパーク吉岡」内で、「犬猫タウン吉岡 にゃんこシェルター」を運営している。
2022年1月〜10月までに、累計で猫256頭、犬15頭を保護し、猫183頭、犬11頭を譲渡したとのこと。また、エイズキャリアやハイシニアなどの譲渡困難な子も積極的に保護し、譲渡へ繋げている。そして今年度末までに、累計で300頭以上の譲渡を目指している。
加えて、多頭飼育崩壊を未然に防ぐため、地域との連携を深めて、セミナーなどの啓発活動や、野良猫の一斉TNR(※)にも取り組む。
今後は、自治会や福祉関連の窓口とのコミュニケーションをしっかり取りながら、社会福祉と動物福祉の連携を進めていくことを目標としている。
クラウドファンディング概要今回のクラウドファンディングは、ふるさと納税制度を通じて、クラウドファンディング型で寄付を募るガバメントクラウドファンディングの仕組みを活用し、「ふるさとチョイス」上で行っている。
ふるさと納税の仕組みを用いたクラウドファンディングのため、寄付者は動物福祉向上の活動を応援しながら、控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられる。
犬猫生活福祉財団は、「3つのゼロ」の実現のため、前橋市において持続可能で有効なモデルを作り、それを全国へ広げることを目指しており、今回集まった資金はその計画を進めるために活用される。
目標金額のうちの4割は、前橋市の動物愛護事業資金として、「前橋市動物愛護管理センター(仮称)」の設置に向けた関連費用と、ワクチン接種など保護動物に対する医療費などに充てられる予定だ。
また、残り6割は、シェルターの犬猫の食事や薬品代、ミルクや預かりボランティアの支援、避妊去勢手術や譲渡会の開催などの活動費用に充てられる。
犬猫生活福祉財団と前橋市がふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングを行うのは、2022昨年、2023年に続く3回目。2023年は、16,056,844円の寄付を集めた
犬猫生活福祉財団と群馬県前橋市による、動物福祉向上を全国へ広げるための取り組みを支援してみては。
ふるさとチョイス:https://www.furusato-tax.jp/gcf/?header
プロジェクト名:犬猫の殺処分ゼロを含む3つのゼロを目指して!【前橋から全国の動物福祉向上へ】
※飼い主のいない猫に対し、捕獲し(Trap)、不妊去勢手術を行い(Neuter)、元の場所に戻す(Return)することで繁殖を防ぎ、地域の猫として1代限りの命を全うさせ、野良猫の殺処分の減少を目指す活動
(yukari)