【マイルチャンピオンシップと縁がある出走馬は?】11月17日(日)、京都競馬場で3歳以上馬によるGⅠマイルチャンピオンシップ(芝1600m)が行なわれる。
今年は、昨年の勝ち馬ナミュール、一昨年の勝ち馬セリフォス、昨年のエリザベス女王杯を勝ったブレイディヴェーグと国内GⅠ馬3頭に加え、英国から13年ぶりの外国馬となるチャリンが出走予定。実力が飛び抜けた馬がいないため、予想が難しいレースとなりそうだ。
血統的視点からこのレースを占っていこう。「マイルチャンピオンシップ向きの血統」という観点だと、出走馬のなかでまず目につくのがバルサムノート(牡4歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
2走前の朱鷺Sを勝ったバルサムノートphoto by Sankei Visual
父モーリスは2015年の勝ち馬で、母の父ダイワメジャーも2006、07年の勝ち馬という、まさに"マイルチャンピオンシップ配合"。ダイワメジャーは父として2022年の勝ち馬セリフォス、母の父としても2023年の勝ち馬ナミュール(父ハービンジャー)を出しており、極めてこのレースと縁のある血統馬と言える。
祖母の父コジーンは米GⅠBCマイル(チャーチルダウンズ・芝1600m)の勝ち馬で、産駒アドマイヤコジーンはGⅠ安田記念(東京・芝1600m)、GⅠ朝日杯3歳S(中山・芝1600m)とマイルGⅠを2勝。また、コジーンの血を母の父に持つイスラボニータ(父フジキセキ)は、2015年のマイルチャンピオンシップでモーリスから0秒2差の3着、翌年の同レースでミッキーアイルとタイム差なしの2着、という実績を残しており、この血もマイルGⅠ向きだ。
バルサムノートの戦績を見ると、2走前の朱鷺S(新潟・芝1400m)を2番手から抜け出して勝利。前走のGⅡ富士S(東京・芝1600m)は逃げて勝ち馬から0秒5差の5着と敗れているが、やや折り合いを欠いていたようで、残り100m付近まで先頭を守った内容は評価していい。
京都では1戦のみだが、その白百合S(芝1800m)では中団追走から鋭い差し脚を見せ、鮮やかな差し切り。逃げなくても競馬ができるなど、展開次第で戦法を変えられる自在性の持ち主だ。出遅れ癖や折り合い面の不安などがあり成績は安定しないが、白百合Sで見せた末脚はなかなかのもの。展開がハマれば、このメンバーに入っても上位に食い込むことは可能だろう。
【もう1頭は2年7カ月ぶりの勝利を目指す6歳馬】もう1頭はタイムトゥヘヴン(牡6歳、美浦・戸田博文厩舎)を推す。父ロードカナロアは、2013年の安田記念などマイルGⅠを含むGⅠ6勝の名馬だ。種牡馬としても、2018年のマイルチャンピオンシップ勝ち馬のステルヴィオなどを輩出。また、母の父アドマイヤベガの産駒にも、2008年の勝ち馬ブルーメンブラットがいる。
さらに母キストゥヘヴンは、2006年のGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)勝ち馬。祖母の父ノーザンテーストも、母の父として1988年のサッカーボーイ、2003、04年のデュランダル、2006、07年のダイワメジャー、2009年のカンパニーと、4頭ものマイルチャンピオンシップ勝ち馬を出している。このレースを含めたマイルGⅠに縁がある血統と言える。
タイムトゥヘヴンは、2022年4月のGⅢダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)以来、2年7カ月ほど勝ち星から遠ざかっている。しかし2走前のGⅢ京成杯オータムハンデ(中山・芝1600m)では、14番人気ながら上がり3F32秒4の豪脚で2着に食い込んでおり、衰えはなさそうだ。ちなみに馬番16番は、2015年モーリス、2016年ミッキーアイル、2023年ナミュールと過去10年で3頭が勝利している縁起のいい番号でもある。
以上、今年のマイルチャンピオンシップは、モーリス産駒バルサムノート、ロードカナロア産駒タイムトゥヘヴンの2頭に期待する。
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