お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
古坂さんの回答
今は中途半端でいいんです
お子さんが生まれて、まだ7ヶ月ですよね? 出産って全治2、3ヶ月のの交通事故と同じって言うけど、本当はもっと長くて、全治7ヶ月でも8ヶ月でもおかしくないですよね。やっと仕事のことなどを考えることができるようになったところじゃないでしょうか。
これは結論から言うと、中途半端でいいんじゃないですかね?
今がいっぱいいっぱいなんですから。
それに
「中途半端がよくない」というのは違うと思うんです。
ちょっと育児の話から離れてしまうんですけど、過去のどんな偉人でも「ああ、あれやっておけばよかった」って必ず言ってるんですよ。
以前、文豪や作曲家などの日記をもとにした「偉人たちの習慣」についての本を読んで、すごく面白かったんですが、それを読むとほとんどの人が1日を終えて夜になると「あ〜中途半端だったな」って思ったりするんです。
現代人も、たぶんそうですよね。今日ここにいる人も「あ〜これでいいのかな〜」と思いながら仕事を終える。毎回「60点くらいだったな」というような感覚です。でも、あとで振り返ってみると「あれでよかったんだ」って思うこともありますよね。
つまり、「仕事を100点にする」っていうこと自体が「自分探し」みたいなもので、どうすれば満点なのかわからないから難しいんです。
ましてや、産後すぐの今、100点を狙わなくていいと思います。
20年スパンで100点を目指そう
映画『アナと雪の女王』の大ヒット以降、「ありのまま」であることが賞賛されていて、あれはあれで夢があって少年少女にはいいと思います。でも大人は、そんなロマンチックなことではなく、リアルに中途半端な自分を認めたほうがラクになると思うんです。
毎日60点でもいいから、やるべきことを確実にやっていく。で、
20年スパンくらいで100点へ持っていこう、という感覚を持ったほうが長続きする
んじゃないでしょうか。人生は長いし、いろいろなことがあるから。子育てに忙しい時期があるように、です。
ぼくは下の子に毎日夜泣きされた地獄のような半年間があったんですが、そのときに一生懸命に読んだのが宇宙の本だったんですよ。いちばん遠いことを考えようと思って。
宇宙規模で考えると、宇宙って完成して138億年くらいといわれていて、さらに毎日光の速さで膨張しているという意味のわからない規模感で、わけがわからなくなり「ま、いっか」って思えたんですよね。
ビッグバンから今を1年にたとえると、恐竜が絶滅したのが12月26日で、人間が生まれたのは12月31日の23時ごろと言われていて……。「まだ人間の歴史も始まったばかりか〜」と思うとすごくラクになったんですよ。眠いときには寝て、目が覚めたら起きる。そういうときがあってもいいと思うんです。
「適当」にすることで楽しくなる
そういう風に考えるようになって変なこだわりを取り払い、やれる仕事を一生懸命やっていったら、ぼくは結果的に仕事がすごく楽しくなったんです。
楽しいってどういうことかというと、自分の中の満足もあるでしょうけど、他人から「評価される」「感謝される」ということでもあると思います。がんばった仕事よりも、なんとなくできることを淡々とやったときのほうが評価が高いってこともあるんですよね。
だから、仕事を楽しむということになると、「適当」がいいかもしれません。ただ、これは10年以上のキャリアがある場合です。キャリアが短い場合は、「適当」が見当違いになってしまうかもしれませんから。でも、できることをするしかないのは同じです。
いずれにしても、子育てはまだスタートしたばかり。仕事を始めて7ヶ月目って、まだ何もわからなくていっぱいいっぱいだったのではないでしょうか。それと同じで、子育ての最初もいっぱいいっぱいで当然です。初めてのことばかりだからです。
だからこそ、パートナーに分担してもらったり、周囲の人に助けを求めたりしてみてください。仕事に打ち込みたい気持ちはもちろんよくわかりますが、家庭が不穏だと楽しめません。
だから育児の形が見えてくるまで、少し適当でいるのもいいのではないでしょうか。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使、UNEPサステナビリティアクションアドバイザーを務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』では5年間MCを務めた。現在は、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」のYouTubeチャンネルを開設。
YouTube ピコスタキッズYouTubeチャンネル
TikTok ピコスタキッズTikTokチャンネル
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)
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