11月17日(日) 17:34
<大王製紙エリエールレディス 最終日◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
4バーディ・ボギーなしの「67」で回り、3位に入った竹田麗央が賞金650万円を獲得し、今季の獲得賞金が史上最高の2億5913万16円となった。コロナ禍でシーズンが統合されて52試合が実施された2020-21年に稲見萌寧が記録した2億5519万2049円を単年で突破。4月の初Vから一気に8勝を積み上げてメルセデス・ランキング1位に輝いた若き女王は、その稼ぎっぷりもすごかった。
稲見が出場45試合で達成したツアー最高額を竹田は31試合でクリアした。1試合平均で約835万円、1ラウンド平均にすると約284万円を稼いだことになる。頑張った自分へのご褒美など、ビッグマネーの使い道を聞かれた21歳は困った顔をして、苦笑するだけだった。
「実感はありません。物欲もないので特には…」
来季の米ツアー挑戦を表明し、12月の最終予選会(Qシリーズ)に出場を予定していたが、2週前の日米共催大会「TOTOジャパンクラシック」で優勝を果たし、最短ルートで米ツアー切符を手にした。最終予選会のための渡米費用も浮かしていた孝行娘は「来年はアメリカに行くので、その経費に充てられるかなと思います」と百点満点の答えで周囲を笑わせた。
金銭にはあまり関心がないものの、執着している数字はある。トータル17アンダーで4日間を終え、今季の平均ストロークは69.1933となった。ドライビングディスタンスは263.06ヤードで1位をキープ。平均ストロークが「70」を切ったのは、これまで19年の申ジエ(韓国)と22、23年の山下美夢有の2人だけ。今季は山下、竹田、岩井明愛に「70切り」の可能性がある。「60台で終わりたいなと思うので、来週も気を引き締めて頑張ります。ドライビングディスタンスも1位を取りたい」。
今季も最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を残すだけとなった。平均ストロークの「70切り」は4日間トータル“64オーバー”でもクリアできる。飛距離を追い求める飛ばし屋は、ずっと狙っていたドライビングディスタンスのタイトルに照準を合わせている。
今季は「ソニー 日本女子プロ」「日本女子オープン」のタイトルを獲得し、国内メジャー年間3冠も懸かる最終戦。2018年のジエ以来史上2人目、日本人初の快挙もかかるラストマッチに挑む。(文・臼杵孝志)