11月17日(日) 6:30
高齢者がキャッシュレス決済を使い始めるうえでの課題は、操作への不安とセキュリティーへの懸念、そしてキャッシュレス決済の複雑さです。
タッチパネル操作やQRコードの読み取りなど、スマホ特有の操作が慣れない人にとってはハードルとなります。また、誤って不要なボタンを押してしまう、アプリを間違って消してしまう、などの操作ミスを恐れる方も少なくありません。
さらに、キャッシュレス決済のアカウントに不正アクセスされたり、スマホを紛失したりした場合の対応も不安に感じられるでしょう。加えて、現状ではさまざまな決済手段が乱立しており、店舗によって使える決済手段が異なるなど、システムの複雑さも高齢者にとっては課題となっています。
そこで、次の章では「使いやすさ」「分かりやすさ」「セキュリティー」を重視した、初心者でも始めやすいキャッシュレス決済方法をいくつか紹介します。
ここでは、高齢者が使いやすいと評判のキャッシュレス決済方法を3つ紹介します。それぞれの特徴や、使いやすさについて説明していきます。
PayPayは利用者数が多く、日本国内の多くのお店で利用可能なキャッシュレス決済サービスです。アプリを開いたら「支払う」ボタンを押して、店頭のQRコードをスキャンするか、店舗側がユーザーのQRコードをスキャンすることで支払いが完了します。
シンプルな画面設計と大きな文字のため、操作が分かりやすく、万が一操作に困った場合もサポート窓口が充実しています。さらに、チャージ方式だけでなく、銀行口座やクレジットカードと連携して利用することも可能です。
iDは非接触型決済サービスで、専用のアプリを使わず、対応するスマホやカードをタッチするだけで支払いができます。クレジットカードや電子マネーと連携しているため、対応カードやスマホを店頭でiDに対応している端末にかざすだけで支払いが完了します。
スマホ操作が最小限に抑えられるため、タッチ操作に不安がある高齢者にとっても便利です。また、店舗ごとにアプリを開いたりQRコードをスキャンしたりする手間がないため、スムーズに利用できます。
楽天ペイは、楽天会員であれば簡単に始められるキャッシュレス決済サービスです。楽天のIDとパスワードでログインし、アプリを開いて簡単な操作をするだけで利用できます。また、楽天ポイントが貯まりやすいため、普段の買い物でもお得に使えるのが特徴です。
QRコード決済は、アプリ内の「コード表示」ボタンを押すだけで、店員に見せるか、店舗のQRコードをスキャンすることで完了するため、操作がシンプルです。楽天ポイントが貯まっている場合、それを使って支払いをすることもでき、ポイントを利用することでさらにお得にキャッシュレス生活を楽しめるでしょう。
高齢者がキャッシュレス決済を安心して利用するためには、いくつかのポイントがあります。家族がサポートできる点についても解説しますので、参考にしてみてください。
まず、スマホのパスワードや指紋認証、顔認証などのセキュリティー設定を行い、万が一紛失した場合でも他人に使われないようにしましょう。また、公共のWi-Fiには接続しないようにするなど、セキュリティーに配慮した使い方を徹底してあげると安心です。
家族が一度一緒に利用方法を練習し、「アプリを開いて支払いボタンを押すだけ」などの操作を何度かサポートすることで、安心して利用できるようになります。PayPayや楽天Payなどは、少額で何度か支払い体験を積むと不安が軽減され、操作に自信がつくはずです。
PayPayなどチャージ型の決済方法や月々の利用限度額を設定できるものを選ぶと、支出のしすぎも防げます。また、家族で決済内容を確認できるようにしておくと、異常な支出を早めに確認できて安心です。さらに、交通系電子マネーなどプリペイド式の電子マネーを使用することで、使い過ぎる心配がなく、高額の詐欺も起こりにくくなります。
高齢者にとってキャッシュレス決済は、現金の持ち歩きが不要になるため便利で安全な面も多くあります。ただし、操作やセキュリティーに不安があるのも事実です。
本記事で紹介したような方法を参考に、お父さまにも安心してスマホでの支払いを始められるよう、まずは家族が一緒にサポートしてあげるとよいでしょう。少しずつ慣れれば、キャッシュレス決済は生活の幅を広げる新しいツールとして活用できるはずです。
PayPay株式会社 PayPay ホームページ
株式会社NTTドコモ iD ホームページ
楽天ペイメント株式会社 楽天ペイ ホームページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
最近飲食店に行くと「PayPay」のみ対応でクレジットカードは不可という店をよく見かけます。なぜクレジットカードは使えないのでしょうか?