11月17日(日) 1:50
株式会社i-plugが、2023年に2025年卒業予定の学生に対し行った「新卒配属1年目の年収に関する調査」によると、新卒1年目に希望する年間の額面給与額は、表1のようになります。
表1
希望する年間の給与額(額面) | 割合 |
---|---|
199万円以下 | 0.5% |
200万円~299万円 | 16.4% |
300万円~399万円 | 39.4% |
400万円~499万円 | 26.0% |
500万円~599万円 | 7.9% |
600万円~699万円 | 2.7% |
700万円以上 | 7.1% |
※株式会社i-plug「新卒配属1年目の年収に関する調査」を基に筆者作成
表1を見ると、額面給与400万円以上を希望する学生が、43.7%となっています。前年の同じアンケート結果では31.3%であったことから、より高い初任給を求める人が増えていることが分かります。
実際に、2024年新卒者の初任給がいくらだったのか、平均額を確認してみましょう。産業総合研究所が発表した「2024年度決定初任給調査」を基にした、学歴別の初任給額と対前年度の増加率が表2です。
表2
学歴 | 初任給額 | 対前年度増加率 |
---|---|---|
大学院卒業(博士) | 25万2089円 | 4.25% |
大学院卒業(修士) | 24万7702円 | 4.53% |
大学卒業(一律) | 22万5457円 | 3.85% |
短期大学卒業事務 | 20万625円 | 4.55% |
高等専門学校卒業技術 | 20万9174円 | 4.73% |
高校卒業(一律) | 18万8168円 | 4.58% |
専修・専門技術学校卒業(2年修了) | 20万2425円 | 4.58% |
専修・専門技術学校卒業(3年修了) | 20万7015円 | 4.57% |
※産業総合研究所「2024年度決定初任給調査」を基に筆者作成
高校卒業の新卒者の初任給18万8168円は、年収換算すると225万8016円、大学卒業の新卒者の初任給22万5457円は、270万5484円となり、400万円には、およそ130万円~175万円足りません。
400万円以上の初任給を得るためには、ボーナスを考慮しない場合ひと月当たり33万円以上でなければなりませんが、もっとも高い大学院卒業(博士)の場合でも、ひと月当たりおよそ25万円と8万円ほど足りない額です。
とはいえ、すべての学歴で対前年度増加率が3.5%以上と高水準となっています。
新卒の初任給が軒並み上がっている理由に、「人材確保」が挙げられます。新卒の就職活動は売り手市場といわれる今、よい人材を確保するために、初任給アップを意識している会社は少なくないでしょう。
また、新人や若手が早期に離職する原因の1つとして、給与額に満足できないことが挙げられます。入社1年~3年目までの正社員に対し行ったとあるアンケートでは、離職経験のある人のうちおよそ18%が、給与に満足できないことを理由に挙げています。
それだけ初任給の額は、就職や仕事を続けていくことに対し、重要なウエートを占めていることが考えられるでしょう。
就職活動中の学生の4割以上は、年400万円以上の初任給を希望していますが、実際の初任給は高校卒業の新卒で225万8016円、大学卒業の新卒で270万5484円です。希望する400万円には、およそ130万円~175万円足りません。
新卒者が早期離職する理由の1つとして、給与額に満足できないことが挙げられており、今後どこまで初任給が上がっていくか、新卒者の希望と現実がどこまで差が縮まるか注目です。
株式会社i-plug 「新卒配属1年目の年収に関する調査」(PR TIMES)
産業総合研究所 2024年度決定初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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