「いつも腰が痛い」「太っていないのにおなかだけが出ている……」そんな悩みを抱えていませんか? もしかしたら、それらは「反り腰」が原因になっているかもしれません。猫背と違い、反り腰は一見姿勢がよく見えるかもしれません。しかし、さまざまな不調を引き起こす可能性があるので、早めの対処がおすすめです。そこで、今回は反り腰の原因や対処法をあんしん漢方所属のヨガインストラクター、高橋かなこさんにうかがいました。
1. 反り腰の原因
反り腰とは、その名の通り腰が反った状態で、骨盤が前傾している姿勢をいいます。これは、筋力の不均衡や生活習慣によって生じることが多いといわれていますが、具体的にはどのような原因が考えられるのでしょうか?
1-1. 筋力の低下
運動不足などでおなか周りの筋力が低下すると、うまくからだを支えきれなくなります。また、おなかやお尻の筋力が低下すると背中や腰の筋肉が過剰に緊張してしまい、筋力のアンバランスが反り腰を引き起こすといわれています。
1-2. 体重の増加
妊娠なども含め、急激に体重が増加すると、おなかも重くなってしまいますよね。おなかが重いと前のめりの姿勢になりやすく、この姿勢を正そうとして腰を反らせてしまうことで反り腰につながる場合があります。
1-3. 姿勢の悪さ
長時間同じ姿勢で過ごすことが多いと、その間ずっと正しい姿勢を保つのはなかなか難しいものです。崩れた姿勢のまま長時間過ごすと、筋肉が硬直して骨盤がゆがみ、反り腰につながることがあります。
また、ヒールの高い靴を履くことが多い場合も要注意です。つま先重心になり、からだが前傾姿勢になりやすいので、それを戻そうとして反り腰になりやすくなります。(※1)
2. 反り腰による影響
反り腰になると、通常よりも背骨の弯曲が極端になって骨盤が開いて前に傾いてしまうので、姿勢が崩れてからだをうまく支えられなくなります。その結果、腰やそのほかの部位に過度な負担がかかってしまうのです。
「腰痛が続いている」「太っていないのにおなかだけが出る」「前ももが張る」「冷えやむくみが気になる」など、これらの不調は反り腰が原因で起こっている可能性もあるので、少しでも思い当たる節がある場合は、次の反り腰チェックを行ってみてください。(※1)
3. 反り腰のチェック方法
まずは自分が反り腰かどうかをセルフチェックし、自分のからだの状態を知るところから始めましょう。
壁にかかと、お尻、後頭部をつけて立ちます。壁と腰の間にこぶしが入る場合は反り腰の可能性が高いです。手のひら1枚分程度であれば問題ありません。(※2)
立ってチェックするのが難しい場合は、寝たままチェックすることも可能です。仰向けになった状態で、腰と床の間に手のひら1枚分よりも大きなスキマができていたら反り腰の可能性が高いといえます。
4. 反り腰改善におすすめのストレッチ
反り腰の解消にはストレッチも有効な方法のひとつです。そこで、今回は家でできるおすすめのストレッチを2つご紹介します!
4-1. キャット&カウ
(1) 四つん這いになる。肩の下に手首、脚のつけ根の下にひざを置く。
(2) 息を吸いながらゆっくり背中を反らす。
肩に力が入らないように注意する。
腰ではなく「背中」を反らすように意識する。
(3) 息を吐きながら背中を丸める。
目線はおへそに向けて、両手でしっかり床を押す。
(4) (2)(3)を数回くり返す。
キャット&カウはヨガポーズのひとつです。背中を動かすことに集中しすぎると、骨盤の位置が前や後ろにスライドしてしまう可能性があります。「手首は肩の真下」「ひざは脚のつけ根の真下」この位置がズレないように意識しましょう。
4-2. 腰を丸めるストレッチ
(1) 仰向けになって、両ひざを立てる。
(2) 両ひざを胸に引き寄せて両腕で抱える。
(3) 自然な呼吸をくり返す。
余裕があれば頭を持ち上げてひざに近づけ、さらに腰を丸めます。このストレッチは布団の上でもできるので、寝る前などのスキマ時間に試してみてください。
5. 反り腰改善におすすめのストレッチ
反り腰を放置していると、何かとからだに不調が出やすくなります。そのため、反り腰解消ストレッチと併せて取り入れたいのが漢方薬です。漢方薬は体質改善を得意としており、血行不良や冷え、筋肉の緊張などを改善します。自分の不調や体質に合ったものを選びましょう。
腰痛や筋肉の張り、緊張には下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
・血流をよくして痛みを改善する
・からだを温めて筋肉をゆるめる
・全身に栄養を届けて関節や筋肉の機能を回復する
・筋肉のけいれんや痛みを鎮める
また、むくみや冷えには下記のような働きのある漢方薬がおすすめです。
・水分の循環をよくしてむくみを改善する
・代謝を上げて熱をつくる機能を回復する
・血流をよくして熱を巡らせる
漢方薬は自然由来の生薬でできているので、一般的に副作用も少ないといわれています。毎日決められた量を飲むだけなので、忙しい毎日でも取り入れやすいのが嬉しいポイントですよ。
<おすすめの漢方薬>
・大柴胡湯(だいさいことう)
気(エネルギー)の流れをよくして、緊張をほぐしてくれます。また、便通を改善してぽっこりおなか解消にも効果が期待できます。(※3)
・五積散(ごしゃくさん)
からだを温めることで冷えによる痛みを取り除く漢方薬です。慢性化した腰痛のほか、冷え症、月経痛、神経痛にも用いられます。(※4)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血(栄養)を補い、血の巡りをよくすることで、栄養を与えて腰痛などの不調に働きかけます。冷え症や更年期症状、頭痛、貧血などにも用いられます。(※5)
漢方薬は、自分のからだに合っていないものを服用すると、効果が実感できないだけでなく副作用が生じてしまう可能性があります。そのため、まずは自分のからだに合ったものを選ぶのが重要です。
しかし、漢方薬を初めて購入する場合は、何を選べばいいか悩みますよね。そんなときは「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスの活用がおすすめです。漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができて、自分に合った漢方をお手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。
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6. 反り腰改善で外見も中身も健康に!本記事では、反り腰によるからだへの影響と改善方法についてお伝えしました。反り腰が改善されることで、腰痛などの不調にもアプローチできるのはもちろん、姿勢改善にもつながり、外見の印象にもよい変化があるでしょう。
今回ご紹介したストレッチは、反り腰の改善だけでなく、予防にも効果が期待できます。寝る前や家事の合間など、スキマ時間を見つけてぜひ試してみてくださいね。
<参考サイト>
※1
足立慶友整形外科「反り腰について、その原因と治療法を解説します!」
※2
医療法人社団 厚済会「【反り腰緩和】理学療法士オススメストレッチ・筋トレ」
※3
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(医療用)」
※4
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ五積散エキス顆粒(医療用)」
※5
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
<この記事の監修者>
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
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