クシシュトフ・キェシロフスキ「デカローグ」全10話、国内配給権終了で最後の劇場上映決定

「デカローグ」メインビジュアル

クシシュトフ・キェシロフスキ「デカローグ」全10話、国内配給権終了で最後の劇場上映決定

11月16日(土) 12:00

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「トリコロール三部作(「青の愛」「白の愛」「赤の愛」)」や「ふたりのベロニカ」などで知られるポーランド映画界の名匠クシシュトフ・キェシロフスキの「デカローグ」デジタルリマスター版が2024年12月末に国内配給の権利が終了することを受け、12月6日から、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で最後の劇場上映が決定した。

2021年に生誕80年、没25年を迎えるキェシロフスキ監督の金字塔的傑作である本作は、旧約聖書の「十戒」を下敷きに、ポーランド郊外の巨大団地に暮らす人々の幾通りもの人生模様を綴った各約1時間・全10編からなる連作集。社会主義体制下にあったポーランドでテレビシリーズとして製作されたが、キェシロフスキは社会・政治などの要素を映画から一切排除し、キャラクターの内面を描くことに注視。どのエピソードから鑑賞しても楽しむことができ、鋭くアイロニカル、しかし優しい目線で、現代に生きる人々の孤独と愛の苦悩を浮かび上がらせている。

その質の高さからベネチア国際映画祭に出品、その後世界で上映され、スタンリー・キューブリックが「重要な映画」と賛辞を送ったほか、エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェンら世界中の名匠がその才能を絶賛した。

権利の終了後、しばらく劇場での上映の機会はないことが予想され、この上映はスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となる。

【作品情報】
デカローグ第1話ある運命に関する物語

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