内田有紀が誕生日迎えるデビューから32年“奇跡の美しさ”と磨き続けた演技“準備フェチ”ぶりは声優担当したマーベル作品でも発揮

49歳の誕生日を迎えた内田有紀/※2023年ザテレビジョン撮影

内田有紀が誕生日迎えるデビューから32年“奇跡の美しさ”と磨き続けた演技“準備フェチ”ぶりは声優担当したマーベル作品でも発揮

11月16日(土) 6:10

49歳の誕生日を迎えた内田有紀
【写真】まさに“奇跡”の美しさ!吹替担当したワスプを手に乗せほほ笑む内田有紀

内田有紀が11月16日に49歳の誕生日を迎えた。近年は年齢の前に“奇跡の”と加えて紹介されることも多いが、32年前のデビュー当時からそれほど印象が変わらないとなれば、そう言いたくなるのもうなずける。今回はそんな内田のキャリアを振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

■17歳でドラマデビューし、アイドル的な人気を博す

俳優デビューは、1992年放送のドラマ「その時、ハートは盗まれた」(フジテレビ系)。一色紗英演じる主人公に突然キスをして恋心を抱かれるようになる奔放的な女子高校生で、物語のキーマンという鮮烈なデビューだった。

翌年、フジテレビ系の“月9”枠で放送された「ひとつ屋根の下」と「じゃじゃ馬ならし」に連続して出演。勢いが増した1994年は、1月に放送されたオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語 冬の特別編」の1作『心の声が聞こえる』で主演、2~3月放送の「時をかける少女」で連続ドラマ初主演し、4~9月放送の「17才-at seventeen-」(いずれもフジテレビ系)も主演と続いた。

1994年は歌手デビューもして、ブレイクした年ともいえる。ショートカットで、はつらつとした表情の内田は、男女問わず魅了した。


■演技への真摯な思いとターニングポイントになった作品

ドラマのほか「花より男子」(1995年)、「CAT’S EYE キャッツ・アイ」(1997年)と映画の主演も務めるなど華々しく活躍する一方で、アイドル的人気の現状に満足することなく、演技への真摯(しんし)な思いを潜ませていた。演技の勉強をし直したいと、2000年に劇作家の故・つかこうへい氏が主宰する「北区つかこうへい劇団」に入団。舞台公演で研鑽を積んだ。

大人気ドラマシリーズである「北の国から 2002遺言」(2002年、フジテレビ系)の出演後に一時引退を経て、2005年に復帰。再び俳優としてのキャリアに邁進中だが、2022年10月23日に放送された「日曜日の初耳学」(毎週日曜夜10:00-10:54、TBS系)のインタビューでターニングポイントになった作品を明かしている。2012年放送の小泉今日子と中井貴一がW主演したドラマ「最後から二番目の恋」(フジテレビ系)だ。

同作は、小泉演じる45歳独身のテレビ局ドラマプロデューサー・吉野千明と、中井演じる妻と死別した50歳の市役所に勤める長倉和平による“大人の青春”ドラマ。アラフィフ世代の共感を呼び、続編も制作された大ヒット作だ。内田は、和平の妹・万理子役。世間になじめず引きこもり、恋愛経験ゼロの35歳だったが、長倉家の隣に引っ越してきた千明との出会いで変化していく役どころ。

俳優デビューから20年たっていたが、撮影前の台本読み合わせのときに監督から「なんか違うな」と言われた。「もう(女優を)やめなきゃダメかもって思うくらい」と悩み、思い当たったのは「自分には基礎が足りない」ということだった。

「『なんか違う』のまま現場に入ってはいけないと思って」と内田は演技コーチについてもらって撮影に挑んだ。


■“準備フェチ”へと変化した役作り

「この作品があったから、この先もプロとして仕事をしていきたい、女優という仕事に本気で身も心も捧げたいって思えるようになりました」と語った転機。キャリアを積み重ねる中で、気付きによって得るものは大きい。

同じインタビューでは、「日常の生活の中に、演じているその役柄を取り込んで『その役だったらどんなふうに日々生活するだろう』っていうのを常に切り離さないように生きる」という役作りに変わったとも。「役作りしている時、めちゃくちゃ楽しいんですよ。準備フェチです」と明かしたが、それは声優を務めるマーベル映画「アントマン」シリーズ(すべてディズニープラスで配信中)の3作目「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(2023年)の完成披露イベントに登壇したときのトークで通ずるものがあった。

内田はアントマンの相棒・ワスプの吹替えをしているのだが、担当するにあたり何度も頭の中でシミュレーションしたあまり「今作でもワスプを演じさせていただいております」とあいさつしてしまい、「(吹替声優ではなく実際に)出ている気分になっています」と自分でツッコんだ。それほど吹替えの役作りに励んだということ。さらには作品に登場するマーベル史上最大の脅威といわれるカーンについてもアントマンの声を担当した木内秀信が驚くほどの知識を披露。出演作に対する“準備フェチ”はいまも健在のようで、声優もしっくりなじんでいる。

「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)シリーズでの主人公・未知子(米倉涼子)の相棒ともいえる敏腕麻酔科医・城之内博美は当たり役の一つで、2024年12月6日(金)公開の「劇場版ドクターX」がファイナルということで少々寂しい気もする。けれども、たくさんの作品で存在感を放ち続けている。

連続テレビ小説「まんぷく」(2018年、NHK総合)での主人公の優しい姉役で、早くに亡くなった際にはSNSで「寂しい」「悲しい」「ロス」と騒然となったほどの反響に。そして「最後から二番目の恋」の中井と再共演した「華麗なる一族」(2021年、WOWOWプライム)では愛人ながら一族の閨閥(けいばつ)で力を発揮する野心的な女性を見せたかと思えば、デビュー作以来の木村拓哉との共演も話題になった「未来への10カウント」(2022年、テレビ朝日系)での校長、「君の花になる」(2022年、TBS系)での“鉄眼鏡”とのあだ名があるクールで無愛想なボーイズグループのマネジャーと、美しさはそのままに多彩な役をこなす。

「燕は戻ってこない」(2024年、NHK総合)では代理出産を依頼する妻の苦しみの感情を深くまとった演技で「東京ドラマアウォード2024」の助演女優賞を見事に受賞した。次に“準備”万端でどんなキャラクターを見せてくれるのか、楽しみだ。

◆文=ザテレビジョンシネマ部









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