【ハイキュー‼×SVリーグ】Astemoリヴァーレ茨城の長内美和子が語る中心選手としての覚悟落ち込んだときの支えは田中龍之介の言葉

photo by web Sportiva

【ハイキュー‼×SVリーグ】Astemoリヴァーレ茨城の長内美和子が語る中心選手としての覚悟落ち込んだときの支えは田中龍之介の言葉

11月16日(土) 9:50

提供:
『ハイキュー‼』×SVリーグコラボ連載(14)

Astemoリヴァーレ茨城長内美和子

(連載13:日本製鉄堺ブレイザーズ上村琉乃介は劣勢でこそ燃える日向翔陽のように「戦える選手になりたい」>>)

(c)古舘春一/集英社

(c)古舘春一/集英社





(連載13>>)

「目標は"チームの象徴"というか、そういう存在になるということです。『このチームで勝ちたい』って思いは強いし、今年で私は9年目でキャリアも(チーム内で)一番長くなったので。でも在籍年数だけじゃなくて、結果を出して『誰が見ても中心。いなくちゃいけない存在』ということをプレーで示していきたいです」

長内美和子は、長くバレーボールの世界にいる自負をさわやかな笑顔の中に込めた。現在のチームポスターでもセンター。日本代表としてワールドカップ、ネーションズリーグに出場した経歴は伊達ではない。それでも、彼女が目指す理想像があるのだろう――。

長内は、正真正銘の"バレー少女"だった。母親はママさんバレーをやっていて、7歳上の兄の試合も応援に行った。幼い頃からバレー漬けの生活で、小学3年で名門の「東金町ビーバーズ」に入部したが、入る前から「バレーがしたい」とうずいていたという。

「最初は『自分もやってみたい』という単純な好奇心でした。幼い頃からコートの端っこでボールを触ったり、子ども同士で下手くそでもつないだり。それが楽しかったので、『早くやりたい!』って。バレーが大変な競技なことは兄にも聞いていたんですけど、最初はボールを使った遊びがメインだったし、『できないことも楽しい』って夢中になりました」

彼女は、バレーに恋をした。

「できることが増えていく楽しさがありましたね。ビーバーズは練習メニューを全員でやるので、誰でもクイックやブロードを打つし、いろいろやるなかで『これも、あれもできる』となっていく。たとえば、サーブをアンダーで打っていたのがフローターで打てるようになり、そこからジャンプフローター、ジャンプサーブになる、といった過程がすごく楽しくて」

好きこそものの上手なれ。それが彼女の天分だった。

「楽しくやっている時は『うまくいっている』と感じるので、そこを大切にしながらやっています」

長内は言うが、不運に見舞われたこともあった。

「これまでほとんど経験していないんですが、高3の時は病気やケガなどで、常に何かと戦っている感じでした。インターハイ前には喉の痛みで緊急入院を勧められたし、大会の初戦は意地で勝ったんですが、今度は(足底筋膜炎で)足を着くことすらできなくなっちゃって。開催地の大阪で鍼灸師の方にお世話になりながら決勝まで進み、準優勝でした。

春高バレーの前も、左足首の捻挫で跳べなくなってしまって。でも、チームが勝ち上がるなか、テーピングでぐるぐる巻きにして準決勝に出してもらったんです(試合には敗れてベスト4)」

どれだけバレーが好きなのか。それを試されているようだった。彼女はその試練を乗り越えた。

「ケガや病気がなかったら、もっといい経験ができていたはずですけど......」

彼女は柔らかい口調でそう言ってから、凛として続けた。

「コートの外から春高(でプレーする仲間たち)を見ていましたが、勝ち上がるたびに相手も強くなる。でも、自分は出られないから、仲間に声をかけるしかない。それで毎回、心を込めて言葉を伝えていたら、ある時に"チームメイトに届いた"瞬間があって。そこで、『思いはつながるんだ』と感じました」

その経験は、彼女の強さに還元されている。今はチームの中心選手として、アウトサイドヒッターとしてトスを託される立場だ。

「スパイクだけが仕事ではないんですが、サーブレシーブがダメなときよりも、スパイクでダメなときのほうが責任が重いと感じます。サーブレシーブは社会人からやるようになって、1、2年目はサーブで狙われることが多かった。それで練習を重ねたんですが、『上がってきたトスを決めればいいじゃん』ってマインドも大切だなと。

スパイクで責任を果たす、というんですかね。セッターにいいパスが返らなくて、苦しいトスになっても私が打ちきれたら点になる。その役目が果たせないとつらいですけど、果たせたら負けないですから」

長内は明るい声で言った。



【長内が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力とは?

「漫画は最後まで読みましたし、アニメも映画も観ました!魅力が詰まっていて、『バレーっていいスポーツだな』って思います。バレー教室で教えることもあるんですが、『ハイキュー!!がきっかけでバレーを始めました』という子供たちも多いです」

――共感、学んだことは?

「梟谷学園の木兎(光太郎)さんは"ザ・エース"って感じでいいですね。"しょぼくれモード"も『かわいいな』って思いますし、そこから『自分がやらなきゃ』ってなるところもいいですね」

――印象に残った名言は?

「稲荷崎戦での、烏野の田中(龍之介)の『ところで平凡な俺よ下を向いている暇はあるのか』というシーンが大好きで。アニメはそこの部分だけ、落ち込んだときに何度も見返しています。私は、自分のことを『うまい』とか『天才』とか思ったことはないので、落ち込んでいる暇はないって励まされるんですよ」

――好きなキャラクター、ベスト3は?

「1位は木兎さん。2位は稲荷崎の北(信介)さんで、『ちゃんとやんねん』も名言ですね。コツコツ系のキャラクターが好きなんですが、ユニフォームをもらって泣いているシーンとかも最高。3位は田中です。一番身近にいそうなキャラですよね」

――ベストゲームは?

「映画も好きなので、烏野vs音駒も捨てがたいんですけど、烏野vs稲荷崎ですね。宮兄弟も、北さんのエピソードもいいし、田中の名言が出たのもこの試合なので」

(連載14>>)

【プロフィール】

長内美和子(おさない・みわこ)

所属:Astemoリヴァーレ茨城

1997年7月19日生まれ、東京都出身。175cm・アウトサイドヒッター。小学3年でバレーボールを始め、中学時代には東京代表として全国大会を制覇した。文京学院大学女子高校ではインターハイ準優勝、春高バレーベスト4。2016年にAstemoリヴァーレ茨城に入団。同年にU-23日本代表メンバーに選出され、2019年にはシニア代表に選ばれた。

【関連記事】
鍵山優真、坂本花織、りくりゅう...2024NHK杯フォトギャラリー
国立競技場が世界一のスタジアムである理由 神宮外苑地区の樹木伐採はその価値を貶める
【ハイキュー!!×SVリーグ】日本製鉄堺ブレイザーズ上村琉乃介は劣勢でこそ燃える 日向翔陽のように「戦える選手になりたい」
【ハイキュー!!×SVリーグ】サントリー甲斐孝太郎は生まれた時からバレー漬け 『ハイキュー!!』は「バレーを始めるきっかけにおすすめ」
【ハイキュー!!×SVリーグ】ウルフドッグス山崎彰都は月島蛍に共感 バレーは楽しくなかったのに、いつの間にか「好きになっちゃう」
Sportiva

新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ