【競馬予想】マイルCSでは新勢力の台頭を期待馬券的に妙味があるのは末脚自慢の上り馬

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【競馬予想】マイルCSでは新勢力の台頭を期待馬券的に妙味があるのは末脚自慢の上り馬

11月16日(土) 7:05

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ダービージョッキー

大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

――秋のマイル王決定戦、GIマイルCS(京都・芝1600m)が11月17日に行なわれます。現在のマイル戦線について、大西さんはどう見ていますか。

大西直宏(以下、大西) 古馬のマイル戦線は、グランアレグリア、ソングライン、シュネルマイスターといった名馬が引退したあと、ナミュール(牝5歳)やセリフォス(牡5歳)、ソウルラッシュ(牡6歳)らが上位を形成するなか、新たに台頭する馬がなかなか出てこない状況が続いていました。しかし、ようやく新顔が登場。全体の勢力図に変化の兆しが見え始めています。

新顔として注目しているのは、路線を変更してきたブレイディヴェーグ(牝4歳)。また今回は、海外から参戦するチャリン(牡4歳)にも未知の魅力を感じます。

――名前を挙げていただいた2頭の魅力について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

大西 ブレイディヴェーグについては、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)での連覇を狙わず、あえてマイルCSに矛先を向けてきた点は興味深いですね。馬主サイドの戦略的な使い分けなのかもしれませんが、同馬にとって、マイル挑戦は決して悪くない選択だと思います。

これまで1800m戦でも鋭い末脚を発揮しているだけに、1600m戦ならさらにそのキレが生きるはず。加えて、3歳時にGIIローズS(2着。阪神・芝1800m)の日本レコード決着にも適応していることから、速い時計にも対応できるでしょうし、時計の速い馬場はプラスに働くと見ています。

鞍上のクリストフ・ルメール騎手も、先週のエリザベス女王杯におけるレガレイラの敗戦を経て、今週は一段と万全を期して臨んでくるでしょう。

――続いて、英国馬のチャリンについてはいかがでしょうか。今年に入って、GI3勝、2着2回。充実のシーズンを送っています。

大西 ひと言で言えば、世界屈指のマイラーですね。外国馬の不安材料となる「日本の速い馬場への適性」に関しても、レース映像を見る限り、適応できそうな印象を受けました。

特にフランスのGIジャックルマロワ賞(8月11日/ドーヴィル・芝1600m)では、斤量60kgを背負いながら1分33秒9の好タイムで勝利。これだけの記録を残せていれば、日本の馬場でも力を発揮できる可能性は高いでしょう。

国際レーティングは「122」。この数字は、今春のGI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)を制した香港馬のロマンチックウォリアーと並んで世界トップレベルです。

ただ、京都・外回りコース特有の難しさは、懸念材料となります。「安田記念とマイルCSの双方で勝利するのは難しい」と言われるのは、コース設定がまったく異なるからです。京都の外回りコースは3~4コーナーにかけて起伏があり、日本の馬でも得意、不得意が分かれるコース。こうした特徴的なコースを、外国の馬が即座に対応できるかどうかは未知数と言えるでしょう。

――出走各馬にとって、京都・外回りコースの対応がひとつのカギになりそうですが、ほかに勝敗を左右するポイントはありますか。

大西 今の京都・芝コースは、先週のエリザベス女王杯でもわかるとおり、全体的に馬場の傷みが目立つ状態です。それでも、時計自体は速い決着となっています。実際、エリザベス女王杯では過去10年で2番目に速い勝ちタイムが計測されました。

とはいえ、馬場の内側はかなり傷んでいるようで、最後の直線では距離損なく内を突くよりも、4コーナーをスムーズに回って外目を選んだほうが鋭い脚を使えている印象。枠順的には、真ん中から外の枠に入ったほうが戦いやすいかもしれませんね。

――こうした状況を踏まえて、気になる穴馬はいますか。

大西 前走で初の重賞制覇を決めた上がり馬、ジュンブロッサム(牡5歳)が面白そう。東京、京都、双方のマイル戦で勝利経験があり、コース適性は問題ありません。2、3歳時には東京と新潟のレースでレコードタイムを記録しており、速い馬場への適応も実証されています。

マイルCSでの勝ち負けが期待されるジュンブロッサムphoto by Eiichi Yamane/AFLO

マイルCSでの勝ち負けが期待されるジュンブロッサムphoto by Eiichi Yamane/AFLO



脚質は追い込み一辺倒ですが、外差しが決まりやすい今の京都コースなら、この馬の末脚が炸裂する可能性は大いにあります。イメージとしては、昨年のレースを制したナミュールのような立ち回りでしょうか。

鞍上の戸崎圭太騎手は通常、早仕掛けを避けて慎重な騎乗が多いですが、この馬ならばそのスタイルが合っていると感じます。重賞1勝という実績にすぎませんが、末脚のキレ味はGI馬相手でもそん色はありません。

この舞台では、ジュンブロッサムの武器が最大限に引き出されることを期待して、同馬を今回の「ヒモ穴」に指名したいと思います。

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